意外な飲み方あり!国ごとに異なる世界のお茶事情を探る
はじめに
「お茶」というと、一般的に緑茶、烏龍茶、紅茶を思い浮かべる人が多いでしょう。
これら全ては、同じ茶の木(カメリア・シネンシス)から作られます。しかし、製造過程で茶葉を発酵させる度合いを調整することで、緑茶、烏龍茶、紅茶という異なる種類のお茶に生まれ変わるのです。
日本では、伝統的な緑茶をはじめ、紅茶や烏龍茶、近年人気が高まっている高級中国茶など、様々な種類のお茶が楽しまれています。
一方、世界に目を向けると、それぞれの国や地域で独自の茶文化が発展し、特徴的なお茶が飲まれています。
本記事では、世界各国のお茶習慣についてご紹介します。
イギリス
イギリス人にとって、紅茶は生活の一部として深く根付いており、朝はモーニングティー、午後はアフタヌーンティー、夜にはハイティーと、一日を通して紅茶を飲む習慣が定着しています。
スコットランド
スコットランドは、世界的に有名な紅茶王、トーマス・リプトンを輩出した紅茶大国です。
アフタヌーンティーという習慣も根付いており、前菜やメインディッシュと一緒に紅茶を楽しむ文化が深く浸透しています。
フランス
フランスでは、紅茶はカフェよりも「サロン・ド・テ」と呼ばれる優雅な空間で楽しむのが一般的です。
バラやベルガモットなど、様々なフレーバーが加えられた紅茶は、フランス人女性の心を捉え、独自の紅茶文化を築き上げています。
アメリカ
アメリカでは、アイスティーが国民的な飲み物として定着しています。
レモンを添えたレモンティーも人気があり、食事と一緒に甘いアイスティーを飲む習慣は、学校や海軍などでも根付いています。
アイルランド
アイルランドでは、紅茶の消費量がなんとイギリス以上。西欧諸国の中でもトップクラスです。
家庭はもちろん、パブでも気軽に紅茶を楽しむことができます。ミルクティーが主流で、その濃厚な味わいは、アイルランドの気候風土と人々の暮らしに深く根付いています。
中国
中国といえば烏龍茶をイメージする方も多いかもしれませんが、実は緑茶が最も多く飲まれています。
ただし、日本の蒸し製とは異なり、釜炒り製と呼ばれる製法で作られた緑茶が一般的です。
特に、広州では、飲茶と呼ばれる習慣があり、餃子やシュウマイなどと一緒に様々な種類のお茶を楽しむことができます。
台湾
台湾では、お茶を淹れることを「茶藝」と呼び、茶器を用いた美しい茶道が発展しています。特に、聞香杯と呼ばれる小さな杯でお茶の香りをじっくりと楽しむ習慣は、観光客にも人気です。
インド
インドでは、一日何杯も紅茶を飲むことが日常です。
特に、ミルクとスパイスを加えて煮出す「チャイ」は国民的な飲み物として愛されています。様々なスパイスの香りが複雑に絡み合い、深い味わいが特徴です。
セネガル
セネガルでは、中国産の緑茶に砂糖を加えて煮出したお茶が一般的です。
ポットからポットへ勢いよく注ぎ、泡立てることで、風味豊かなお茶に仕上がります。
スリランカ
セイロンティーの本場であるスリランカでは、「キリティー」と呼ばれる甘い粉ミルクを使ったミルクティーが人気です。
濃厚なミルクと紅茶の香りが絶妙に調和し、独特の風味を楽しめます。
モンゴル
遊牧民は、移動生活に適した固形茶を飲んでいます。
モンゴルでは、黒茶の磚茶(たんちゃ 団茶)の茶葉を細かく削って煮出したスープ状の薄茶に、羊乳や牛乳、塩を加えた「乳茶」が日常的に飲まれています。穀物や羊肉を加えることもあります。
ロシア
ロシアでは、紅茶をサモワールという金属製のポットで沸かして、何度も何度もゆっくりと味わうことが伝統的なお茶の楽しみ方です。
ベトナム
基本的には紅茶が主流の国ですが、ベトナムでは、蓮の花を使った「ロータスティー」が古くから愛されています。別名「美人茶」とも呼ばれ、べトナム女性の間では人気のお茶です。
ロータスティーについては、緑茶に蓮の花の香りを移したものが一般的で、優雅な香りが特徴です。
マレーシア
マレーシアでは、濃厚な紅茶にコンデンスミルクと砂糖を加えて泡立てた「テー・タレッ」が人気です。カフェラテのように、たっぷりの泡が特徴です。
ミャンマー
ミャンマーでは、「ラペイエ」と呼ばれるミルクティーが一般的です。
濃く煮出した紅茶をコンデンスミルクの上に注ぎ、かき混ぜて飲みます。また、「ラペソー」と呼ばれる、お茶を固めて食べるユニークな食べ方も存在します。
インドネシア
かつてオランダの植民地であったインドネシアでは、紅茶が広く飲まれています。特徴的なのは、紅茶にたっぷりの甘みを加えることで、濃厚な味わいが楽しめます。