肌悩みの救世主?緑茶の美肌効果を徹底解説
はじめに
緑茶が肌に良いという話は、もはや常識となりつつあります。しかし、その効果のメカニズムや、具体的な効能について、深く理解している人は少ないのではないでしょうか。
今回は緑茶がなぜ美肌維持に効果があるのかについて、科学的にご紹介します。
緑茶はなぜ肌に良いのか?
紫外線は、肌の老化を加速させる最大の敵です。紫外線が肌に当たると、活性酸素が発生し、この活性酸素が細胞を酸化させます。
酸化ストレスを受けた肌は、シミやシワ、たるみの原因となるのです。
さらに、肌のハリを支えるたんぱく質に糖が結びつく「糖化」という現象も、肌の老化を促進します。糖化によって、肌はくすみや黄ばみを帯び、ハリを失ってしまいます。
しかし、緑茶に含まれるカテキンやビタミン類には、これらの酸化や糖化を抑える働きがあることが知られています。肌を酸化ダメージから守り、若々しい状態を保つのに役立つのです。
緑茶がもたらす美肌効果としては、主に以下の四点が挙げられます。
- シミ・そばかすの予防:メラニン生成の抑制、活性酸素の除去
- しわの予防:コラーゲン生成の促進による肌の弾力向上
- 肌の酸化防止:活性酸素によるダメージの軽減
- 肌の保湿効果:ビタミンCによるコラーゲン生成促進
緑茶に含まれる美肌成分
緑茶が肌に良いと言われる理由は、主に三つの成分に深く関係しています。
- カテキン
- ビタミンC
- ビタミンE
カテキンの美肌効果
1. シミ・シワ、たるみの原因となる活性酸素の除去
まず一つ目の成分は、上でも述べ「カテキン」です。
紫外線を浴びることで肌に発生する活性酸素は、シミやシワ、たるみの元となるメラニン生成を促進し、コラーゲンやヒアルロン酸を破壊します。
しかし、カテキンはこれらの活性酸素を効果的に除去することで、肌の酸化を抑制し、若々しい肌を保つために役立ちます。
緑茶に含まれるカテキンは、その種類によって抗酸化作用の強さが異なりますが、特に、エピガロカテキンガレート(EGCG)と呼ばれるカテキンは、強力な抗酸化作用を持つことで知られています。
EGCGは、肌の深層部にまで浸透し、コラーゲンの分解を抑制する働きも期待できます。
2. 肌を老化させる原因「AGEs」を抑える
不摂生な食生活が続くと、肌の弾力を支えるたんぱく質が糖と結びつき、変性してしまうことがあります。この現象を糖化、またはメイラード反応と呼びます。
糖化によって生成される「AGEs」と呼ばれる物質は、肌に蓄積され、くすみやしわといった老化現象を引き起こす原因となります。
緑茶に含まれるカテキンには、この糖化を抑制し、AGEsの生成を阻害する働きがあるため、肌の若々しさを保つために役立ちます。
近年、シミやそばかすといった肌の悩みを抱える人々の間で、緑茶カテキンに着目した化粧品が注目されています。
これらの化粧品は、紫外線による肌の酸化ストレスが、シミやそばかすの原因となるという科学的な背景に基づいて開発されました。
緑茶カテキンが持つ強力な抗酸化作用によって、肌の酸化を抑制し、美白効果が期待できるというわけです。
ビタミンCの美肌効果
二つ目の成分は「ビタミンC」です。
お茶にはビタミン類が含まれていますが、特にビタミンCは他の野菜に比べてもその含有量が多いです。
しかも、茶カテキンによって守られているので、他の食品に含まれるビタミンCよりも、壊れにくいという特徴があります。
それに加えてビタミンCは水溶性なのです。熱いお茶を飲んでも、ビタミンCを効率的に摂取することができるという点も魅力の一つです。
ビタミンCは、コラーゲン生成を促進し、肌にハリと弾力を与えるだけでなく、保湿効果を高めて肌の水分量を保持することで、乾燥を防ぎ、ふっくらとした肌へと導きます。
また、メラニン色素の生成を抑制することで、シミやそばかすの原因となる色素沈着を防ぎ、透明感のある明るい肌へと導きます。
加えて、ビタミンCはカテキンほどではないにせよ、強力な抗酸化作用を持っています。
細胞を傷つけ、老化を促進する原因となる活性酸素を無害化する働きがあり、肌の酸化を防ぎ、若々しさを保つのに役立ちます。
このように、ビタミンCは、コラーゲンの生成促進、メラニン生成抑制、抗酸化作用、保湿効果など、様々な角度から肌の健康をサポートします。
ビタミンEの美肌効果
最後にご紹介するのがビタミンEです。
緑茶に含まれる栄養素として、カテキンやビタミンCが注目されることが多いですが、実はビタミンEも重要な役割を担っています。
ビタミンEは、細胞膜を保護し、脂質の酸化を防ぐ働きをします。
肌の細胞膜は脂質でできています。
この脂質が活性酸素によって酸化されると、過酸化脂質という有害物質が生成されます。過酸化脂質は、細胞膜を傷つけ、肌の機能低下を引き起こし、シミ・そばかすのほか、乾燥や肌荒れ、たるみにしわなどの原因となるのです。
ビタミンEはいわば肌細胞の守り神のような存在です。老化防止という観点から見ると、ビタミンEの力は非常に大きいと言えるでしょう。
ただし、ビタミンEはビタミンCと異なり、不水溶性なので、お茶を飲んだだけでは十分な量を摂取することはできません。飲むだけでなく、茶葉を食べるのもおすすめです。
茶殻(出がらし)を捨てないで!実は食べられる!食べる茶葉の健康効果
1日に6グラムのお茶を食べれば、成人男子が1日に必要なビタミンCのおよそ15%、ビタミンEのおよそ50%が摂取できます。
ちなみに、抹茶には、緑茶の葉を丸ごと粉末にしたものが含まれているため、カテキンやビタミンEを効率的に摂取することができます。
抹茶を使ったスイーツや料理を取り入れることで、手軽に美肌効果が期待できます。
ビタミンEは油と一緒に摂ることで吸収性が高まるので、てんぷらの衣には最適です。
抹茶の風味豊かな衣は、食材の油っこさを抑え、ビタミンEの抗酸化作用によって油の酸化も防ぐので、より健康的に揚げ物を楽しむことができます。
緑茶の選び方と飲み方
熱いお湯で淹れた煎茶を日常的に飲むことが、肌の健康維持に繋がります。
特に、紫外線を浴びる前後は意識して緑茶を飲むことをおすすめします。
ビタミンCが豊富なお茶は以下の通りです。毎日の飲用で美肌効果が期待できます。
- 玉露
- 抹茶
- 深蒸し煎茶
- 新茶
- 上級煎茶
- 普通煎茶
一方、番茶、ほうじ茶や玄米茶などはカテキン、ビタミンともに含有量が煎茶の半分から三分の一程度と少ないため、美肌維持を目的で飲むには向いていません。
まとめ
いかがでしたか。高い基礎化粧品を揃えることを考えたら、毎日の緑茶習慣が最もコスパが良い美肌への近道ではないでしょうか。
日常的に緑茶を飲むことや、抹茶をアイスクリームにかけて食べたり、淹れ終わった茶葉をおひたしにするなど、お茶を様々な形で摂取することで、カテキン・ビタミンともに効率的に摂取でき、より包括的な美肌ケアが可能になります。
内側から美しくなりたいという願いを叶えることができるかもしれません。