カテキンがすごい!緑茶を飲んで太りにくい体質へ
はじめに
「運動をすれば痩せる」というイメージが強いですが、実は、日本茶に含まれる成分がダイエットをサポートしてくれることをご存知でしょうか?
特に、緑茶に含まれるカフェインとカテキンは、脂肪燃焼や吸収を抑える働きがあり、ダイエット効果が期待できます。
肥満の原因
そもそも肥満とは、摂取したエネルギーが消費エネルギーを上回り、余剰なエネルギーが脂肪として体内に蓄積されることで起こります。
食事に含まれる糖質、脂質、タンパク質などは体のエネルギーとして利用されますが、余った分は肝臓にゆき、中性脂肪が合成されます。
その後、中性脂肪は血管を通って全身へ流れ、脂肪細胞に吸収され肥大化します。この脂肪細胞が過剰に増殖することで、肥満やメタボリックシンドロームが起こります。
緑茶は、脂肪の吸収を抑え、脂肪燃焼を促進することで、このエネルギーのバランスを改善し、肥満を予防する効果が期待できます。
緑茶がダイエットに効果的な理由
緑茶がダイエットに効果的な理由は、緑茶だけに含まれるお茶ポリフェノールの一種、「エピガロカテキンガレート(EGCG)」と、「カフェイン」の2つの成分の働きによるものです。
まず、緑茶の主な成分であるカテキン、特にEGCGは、以下のような働きによって体脂肪を減らす効果を発揮します。
- 脂肪の吸収抑制:腸での脂肪の吸収を抑えることで、体内に脂肪が蓄積されるのを防ぎます。
- 脂質代謝の促進:肝臓での脂質代謝を促進し、脂肪をエネルギーに変えやすくします。
- 血糖値の上昇抑制:食後の血糖値の上昇を抑えることで、脂肪が合成されるのを防ぎます。
私たちの体では、食事で摂った脂肪は小腸で分解され、吸収しやすい形に変えられてから体内に取り込まれます。
このとき、膵臓から分泌されるリパーゼという酵素が脂肪を分解する役割を果たしますが、EGCGはこのリパーゼに働きかけることで、脂肪の吸収を抑制します。
結果として、体内に吸収される脂肪の量が減り、体脂肪が増えるのを防ぐ効果が期待できるのです。
さらに、EGCGはカフェインとの相乗効果によって、より強力なダイエット効果を発揮します。
カフェインは、中枢神経系を刺激して脂質代謝(脂肪燃焼)を促進し、脂肪細胞や肝臓に脂肪が蓄積するのを抑えたりする効果があるとされています。
また、カテキンには、熱産生を上げる働きもあると言われています。熱産生が増えると、基礎代謝が上がり、結果として体脂肪が燃えやすくなります。
一方、カフェインは、筋肉の疲労回復を促し、運動能力を高める効果も期待できます。
運動前に緑茶を飲みEGCGとカフェインを同時に摂取することで、より長時間、高強度の運動が可能になり、脂肪の燃焼効率を高め、体脂肪を減らすことが可能となるのです。
これらのことから、緑茶を飲むことは、脂肪の吸収を抑え、脂肪燃焼を促進し、さらに運動効果を高めることで、ダイエットに効果的であると考えられています。
緑茶のダイエット効果を裏付ける研究
緑茶がダイエットに効果的であるという研究は、動物実験とヒトを対象とした研究の両方で数多く行われています。
動物実験では、マウスに緑茶カテキンや緑茶の抽出物を与える実験が古くから行われてきました。
これらの実験では、緑茶を摂取したマウスの糞の量が増加し、未消化のデンプン質が含まれることが確認されています。
これは、緑茶カテキンが腸での栄養素の吸収を抑制し、エネルギー摂取量を減らす可能性を示唆しています。
さらに、最近の研究では、マウスに緑茶粉末を添加した餌を与えたところ、体重増加が抑制され、特に体脂肪の増加が顕著に抑えられたという結果が報告されています。
このことから、緑茶カテキンが脂肪の合成を抑制したり、脂肪細胞への脂肪蓄積を抑制したりする可能性が考えられます。
ヒトを対象とした研究では、緑茶を摂取することで、体脂肪率が低下したり、ウエスト周囲径が減少したりするなどの効果が報告されています。
特に、高濃度のカテキンを含む緑茶を摂取した場合、より顕著な効果が得られるという報告もあります。
例えば、ある研究では、軽度肥満者を対象に、高濃度のカテキンEGCGを12週間摂取させたところ、プラセボ群と比較して、皮下脂肪および内臓脂肪の面積が減少することが確認されました。
この結果は、カテキンがヒトの体脂肪を減らす効果があることを示唆しています。
動物実験では、緑茶を摂取しながら運動を行わせたマウスにおいて、脂肪燃焼が促進されることが確認されています。
この結果は、緑茶と運動を組み合わせることで、より効果的にダイエット効果を得られる可能性を示唆しています。
このように、様々な研究によって、緑茶のカテキンは、脂肪とのかかわり方が多岐にわたることが明らかになってきました。
脂肪の吸収を抑えたり、体内で脂肪が作られるのを阻止したり、既に体内に蓄積された脂肪を分解したりと、まさに脂肪に働きかける複合的な効果が期待できます。
これらの研究結果は、緑茶がダイエットに役立つ可能性を示唆するものであり、今後の更なる研究によって、その効果がより明確になるでしょう。
緑茶のダイエット効果を最大限に引き出す飲み方
緑茶のダイエット効果を最大限に引き出すためには、熱いお湯で淹れた普通煎茶や上級煎茶を飲むことがおすすめです。
90℃以上の高温のお湯で淹れることで、カフェインとカテキンを効率よく抽出できます。浸出時間も2分以上と長めにしましょう。
これを食事と一緒に飲んだり、運動をする20-30分前に飲むとよいでしょう。
カフェインとカテキンを多く含むお茶で知られる玉露や抹茶ですが、これらの高級茶は、点てる必要があったりなどと淹れ方が難しく、日常的に楽しむには少しハードルが高いでしょう。
しかし、新芽で作られた上級煎茶や普通煎茶も、これらの成分を十分に含んでおり、手軽に摂取できます。
一方、ほうじ茶や玄米茶、番茶などは、カテキン量が普通煎茶の20-30%程度と非常に少ないことから、ダイエット目的でたくさん飲んでも効果はあまり期待できません。
まとめ
いかがでしたか。緑茶は、カフェインとカテキンという成分が豊富に含まれており、ダイエット効果が期待できる飲み物です。
これらの成分は、脂肪の吸収を抑えたり、脂肪燃焼を促進したりする働きがあり、ダイエット効果に大きく貢献します。特に、熱いお湯で淹れた煎茶を食事と一緒に飲んだり、運動前に飲むことで、より効果を発揮します。
緑茶を飲むことは、健康的なダイエットの第一歩です。食事制限やファスティングなど、過度なダイエットをする前に、毎日の緑茶習慣、始めてみませんか?