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記事: 犬に緑茶はNG|飲んでしまった時の症状と危険な量、特に気を付けたい緑茶の種類を解説

犬に緑茶はNG|飲んでしまった時の症状と危険な量、特に気を付けたい緑茶の種類を解説

犬に緑茶はNG|飲んでしまった時の症状と危険な量、特に気を付けたい緑茶の種類を解説

はじめに

人間にとってはとっても体に良い緑茶。

最近は緑茶成分「カテキン」入りのフードも増えてきました。

実際カテキンには整腸作用をはじめ愛犬のにとって良い成分が含まれています。

これを見ると、緑茶も犬にあげても大丈夫かな?うちの子お水はあまり飲みたがらないし…なんて思う方もいらっしゃるかもしれませんが、緑茶は犬に与えてはいけません。

少量をペロっとなめた程度で命の危険がある、というわけではありませんが、緑茶には愛犬にとって危険な成分が含まれており、症状が出る出ないにかかわらず、確実に体に悪い影響があります。

本記事では、緑茶を犬に与えてはいけない理由や命にかかわる危険な量、万が一誤飲した場合どうすればよいか、についてご紹介します。

緑茶に含まれる!犬にとって危険な成分

①カフェイン

緑茶に必ず含まれているカフェインは、私たち人間にとっては眠気を覚まし、活動力を高める効果がある一方で、犬にとって非常に注意が必要な成分です。

人間の体はカフェインを比較的スムーズに分解し排出できますが、犬の代謝機能は私たちとは大きく異なります。

犬はカフェインを分解・排出する能力が人間よりも格段に低いため、摂取したカフェインが体内に長く留まり、少量でも中毒症状を引き起こしやすいのです。

その影響は、犬の体重や健康状態によって異なりますが、一般的に人間よりもはるかに少ない量で悪影響が現れます。

②タンニン

緑茶に含まれる渋み成分であるタンニンも、犬にとっては注意が必要です。

すぐに命に係わる危険がある、というわけではありませんが、消化器系を刺激することで、胃腸の不調を引き起こす可能性があります。嘔吐や下痢の原因になることも。

また、タンニンは鉄分と結合しやすい性質を持っています。

そのため、緑茶を日常的に摂取すると、愛犬の体内で鉄分の吸収が阻害され、貧血を引き起こす可能性も指摘されています。

犬にとって、鉄分は健康維持に不可欠なミネラルです。その吸収を妨げてしまうのは、決して好ましいことではありません。

犬が緑茶を飲んだ際の症状

犬が緑茶を摂取すると、多くのケースでは2~4時間以内に次のような症状が見られるようになります。

・落ち着きがない
・興奮、そわそわした様子
・心拍数の増加
・尿失禁

このように、まるで、人間がコーヒーを飲み過ぎた時のように、神経が過敏になっている状態です。

さらに飲んだ量が多い場合や、症状が進んでいくと、以下のような重い症状がみられ命にかかわる危険性もあります。

・震え
・嘔吐
・下痢
・痙攣
・不整脈

犬にとって危険な量

愛犬が誤ってカフェインを摂取してしまうと、様々な健康被害を引き起こす可能性があります。

具体的にどのくらいの量が危険なのでしょうか?

一般的に、犬のカフェイン中毒の症状が現れる目安としては、体重1kgあたり以下の量が挙げられます。

  • 体重1kgあたり20mg:軽度の症状(落ち着きのなさ、興奮、そわそわした様子など)が現れる可能性があります。
  • 体重1kgあたり40~50mg:心拍数の増加、震え、嘔吐、下痢など、より重篤な症状を引き起こす可能性があります。
  • 体重1kgあたり60mg以上:痙攣が生じる危険性があります。

そして、致死量については、体重1kgあたり100mg~とされています。

緑茶に含まれるカフェイン量は、100mlあたり20mgです。

例えば、トイプードル(体重2.5kg)の例で考えてみると、緑茶で言うとマグカップ1杯分でなにかしらの症状が出て、6杯分を飲むと死に至るという計算になります。

一般的に考えてこれほどの量を誤飲することはないと思いますが、十分に気を付けてください。

しかし、これはあくまで目安です。個体差や健康状態によって感受性は大きく異なり、より低い量でも中毒症状を引き起こす可能性は十分にあります。

重要なのは、少量でも犬に緑茶を与えるべきではないということです。

誤飲してしまった場合の対処方法

愛犬が誤って緑茶を口にしてしまった場合、その量によって対応が異なります。

ほんの少量(ペロペロと数回なめる程度)の場合:

緑茶を少量なめてしまった程度であれば、過度に心配する必要はありません。まずは落ち着いて様子を観察しましょう。

念のため、その後6時間程度は注意深く行動や体調の変化がないかを確認してください。

食欲も元気もあるようならば、お水やスープを飲ませることで、血液中のカフェイン濃度を下げてもよいでしょう。

もし、いつもと違う様子(落ち着きのなさ、興奮、嘔吐、下痢など)が見られた場合は、すぐに動物病院に連絡できるように、準備をしてください。

大量に(水を飲むようにゴクゴクと)飲んでしまった場合:

何らかの症状が出る可能性が高いです。

自己判断をせずに、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。獣医師に、いつ、どのくらいの量の緑茶を飲んでしまったのかをできる限り正確に伝えることが重要です。

少量でも油断は禁物

たとえ少量であっても、愛犬の年齢(子犬や老犬)や体質、健康状態によっては予期せぬ症状を引き起こす可能性があります。

「少量だから大丈夫」と安易に考えず、少しでも異変を感じたら獣医師に相談することが大切です。

特に、小型犬や子犬は、少量でも重篤な症状を引き起こすリスクが高いため、より注意が必要です。

愛犬の安全のため、緑茶をはじめとするカフェインを含む飲料は、手の届かない場所に保管するように徹底しましょう。

特に危険な緑茶

「緑茶」と一口に言っても、その種類によってカフェイン含有量は大きく異なります。愛犬の安全のためには、特に以下の3つの種類には注意が必要です。

  1. 玉露
  2. 抹茶
  3. 深蒸し煎茶

特に1と2の玉露と抹茶は、緑茶の中でも際立ってカフェイン量が多いことで知られています。

中でも玉露は、100mlあたり約120mgものカフェインを含む場合があり、これは犬にとって非常に危険な数値です。ほんの少し舐めただけでも、中毒症状が現れる可能性が十分にあります。

また、日本茶とは異なるイメージを持たれがちな抹茶も、実はカフェインを豊富に含んでいます。

最近では、アイスクリームやクッキーなど、人間用のお菓子にも広く使われているため、うっかり愛犬に与えてしまわないよう、細心の注意が必要です。

3つ目の深蒸し煎茶は、通常の煎茶に比べて茶葉の成分がより多くお湯に溶け出すため、カフェインなどの成分も豊富に含まれています。

私たち人間にとっては、健康に良いとされる緑茶も、大切な愛犬にとっては危険な飲み物となり得ます。

これらの情報をしっかりと理解し、愛犬の周りから緑茶を遠ざけるように心がけてください。

緑茶に含まれるカフェイン量

玉露:160mg
抹茶:60mg
普通煎茶:20mg
ほうじ茶:20mg
番茶:10mg
玄米茶:10mg
釜炒り茶:10mg
麦茶:0mg

さいごに

近年、犬用のフードにも緑茶由来のカテキンが配合されているものが増えているため、「緑茶は犬に良いのでは?」と誤解される飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。

しかし、これらは緑茶そのものではなく、その中から特定の有効成分であるカテキンのみを抽出して配合したものです。

緑茶そのものを犬に与えることは、決して安全ではありませんので、ご注意ください。

愛犬の健康を守るためには、人間の食べ物や飲み物を安易に与えるのではなく、犬にとって安全なものを選ぶように心がけましょう。日頃の水分補給は、新鮮な水が基本です。

もし何か特別な飲み物を与えたい場合は、必ず犬用のものを選ぶようにしてください。

大切な家族である愛犬が、いつまでも健康でいられるように、私たち飼い主が正しい知識を持ち、安全な選択をしてあげることが何よりも大切です。

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