赤ちゃんも飲める|麦茶を飲んで便秘解消や虫歯予防も◎
はじめに
古くから日本人に親しまれてきた麦茶。
平安時代には貴族が、戦国時代には武将も愛飲していたという歴史ある飲み物です。
江戸時代には、麦茶を販売する屋台が現れるなど、庶民にも広く親しまれるようになりました。
あの香ばしい香りと爽やかなのど越し、どこか懐かしい味わい。
今回は、そんな麦茶が持つ、様々な健康効果について詳しく解説していきます。
麦茶に含まれる成分とその働き
焙煎した大麦を煮出すことで作られる麦茶には、主に以下のような栄養成分が含まれています。
1. カリウム
体内の余分なナトリウムを排出することで、血圧を下げる効果が期待できるミネラルです。神経伝達をスムーズにし、筋肉の働きをサポートすることで、疲労回復にも役立ちます。
2. マグネシウム
骨の形成を助けるほか、筋肉や神経の働きをサポートし、エネルギー代謝を活発にします。また、血圧を安定させることで心臓病予防にも役立つといわれています。
3. ビタミンB群
ビタミンBは、体内のエネルギー生産に欠かせない栄養素です。不足すると、疲労感、食欲不振、脚気などの症状が現れることがあります。
また、皮膚や粘膜の健康維持、赤血球の生成、神経細胞の働きをサポートしており、不足すると貧血や神経障害を引き起こす可能性があります。
4. 食物繊維
麦茶には、腸内環境を整える食物繊維が豊富に含まれています。
この食物繊維は、腸内をお掃除してくれるので、便秘の予防となるほか、血糖値の上昇を抑え、コレステロール値を下げる効果も期待できます。
5. ポリフェノール
ポリフェノールには、細胞の老化や病気の原因となる活性酸素を除去する働きがあり、健康維持に役立ちます。
私たちの体を老化させたり、様々な病気の原因となる活性酸素を強力に消去してくれるため、がんや心臓病、脳卒中などのリスクを減らす効果が期待されています。
麦茶の健康効果
1. 熱中症予防
真夏の水分補給に、麦茶はぴったりの飲み物です。
カフェインが含まれていないので、利尿作用もありません。体から水分を奪ってしまう心配がなく、汗で失われた水分を素早く補給できます。
また、大麦に豊富に含まれているカリウムは、体内の水分バランスを調整する上で重要な役割を担う電解質です。
汗をかくことで乱れた体内の水分バランスを調節してくれることで、熱中症のリスクが軽減されます。
2. 腸内環境改善
麦茶には、腸の働きを活発にする食物繊維が豊富に含まれています。
特に、β-グルカンという麦に含まれる食物繊維は、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える働きがあります。
これにより、便秘解消だけでなく、お腹の調子を整え、免疫力アップにもつながると言われています。
また、食事と一緒に飲むことで、血糖値の上昇を緩やかにする作用や、コレステロール値を下げる効果も報告されており、健康維持に役立つ成分として注目されています。
特に、麦茶は、便秘に悩むお子様には大変おすすめです。カフェインが一切含まれていないため、大人だけでなく、赤ちゃんにも安心して飲ませることができる飲み物です。
生後一カ月から与えることができる麦茶も販売されていますので、ミルク、白湯に次ぐ飲み物として麦茶を検討してみてもよいでしょう。
麦茶に含まれる食物繊維は、腸内環境を整え、便通を促す働きがあります。消化器官が未発達で便秘を起こしやすい赤ちゃんの、安全な便秘対策の一つです。
3. 抗酸化作用
麦茶の原料である大麦の種皮や胚芽部分には、ポリフェノールが豊富に含まれています。
このポリフェノールが焙煎されることによってさらに活性化し、麦茶の中に豊富に溶け出しています。
私たちの体内で発生する活性酸素は、老化や生活習慣病の原因の一つとされています。
麦茶に含まれるポリフェノールには、この活性酸素を除去する働きがあるため、老化防止や健康維持に役立つのです。
4. リラックス効果
麦茶の香ばしい香りの源であるピラジンには、リラックス効果、血流改善効果、睡眠の質改善など、様々な健康効果があるとされています。
まず、ピラジンには脳内のGABA(ガンマアミノ酪酸)の分泌を促進する作用があります。
これにより、交感神経と副交感神経のバランスが整い、心身がリラックスしたりストレスの緩和に繋がると考えられています。
そのほか、ピラジンには血管を拡張させる働きがあり、血流を改善します。
血行が良くなることで、体のすみずみまで酸素や栄養が行き渡りやすくなり、冷え性や疲労の改善に繋がると考えられています。
5. むくみ予防
麦茶に含まれるカリウムには、体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する働きがあります。
塩分を摂りすぎると、体内に水分が溜まりやすくなり、むくみの原因となります。
麦茶を飲み、カリウムを摂取することで、むくみを予防・解消することができます。
6. 虫歯予防効果
麦茶には、虫歯の原因となる細菌の活動を抑制する働きのあるポリフェノールが豊富に含まれています。
特に、カテコールやゲンチシン酸と呼ばれる成分は、歯垢が歯に付着するのを防ぎ、虫歯を予防する効果が期待できます。
さらに、麦茶を焙煎することで生まれるメラノイジンという色素成分は、歯の表面をコーティングする作用を果たします。
このコーティングは、まるで歯の盾のようなもので、細菌が歯に直接触れるのを防ぎ、虫歯から歯を守ってくれるのです。
さらには、酸から歯を守る働きもあり、歯の寿命を延ばす効果も期待できます。
麦茶の虫歯予防効果が高い理由
煎茶やほうじ茶などの緑茶についてもポリフェノールを含んでいるため、虫歯予防に役立ちますが、どちらかというと麦茶の方が虫歯予防効果が高いとされています。
これは、チャノキを原料とする緑茶と、大麦を原料とする麦茶とでは、それぞれに含まれているポリフェノールの種類と働きが異なるためです。
煎茶に含まれる代表的なポリフェノールであるカテキンも強力な抗菌作用を持つことで知られていますが、麦茶にはカテキンに加え、フェルラ酸やクマリン酸といった別のポリフェノールも含まれています。
これらの成分は、カテキンとは異なるメカニズムで虫歯菌の活動を抑制したり、歯の表面をコーティングして保護したりする働きがあります。
また、上で説明したメラノイジンは、煎茶には含まれていない麦茶ならではの成分です。
これらのことから、麦茶は他の日本茶よりも虫歯予防に優れていると言えるでしょう。
さいごに
いかがでしたか。
麦茶は、単に真夏の水分補給だけでなく、様々な健康効果が期待できる飲み物であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
暑い夏だけでなく、冬はホットでも大変美味しくいただけますよ。一年を通して気軽に飲めるのも魅力の一つです。
麦茶は穀物である大麦を原料としているため、カフェインが一切含まれていません。
そのため、小さなお子様や妊婦さん、カフェインに敏感な方でも安心して飲むことができます。また、寝る前やリラックスしたい時にもおすすめです。
ぜひ、毎日の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。