緑茶の風味を生み出す!様々な殺青方法
はじめに
茶の葉は摘み取られたのちも、しばらくの間は生きていて呼吸を続けています。
呼吸によって酸素が取り込まれ、生葉に含まれる成分が変化します。
緑茶を作るには、この成分の変化は品質を悪くするため、熱を加えて生葉に含まれる酵素の働きを止めます。
いろいろある殺青方法
このように、熱によって酵素の働きを止めることを「殺青(さっせい)」と呼びます。
生葉を殺青する方法としては、「焼く」「炒る」「煮る」「蒸す」などがありますが、現在の日本の緑茶は「蒸し製」がほとんどで、一部で「釜入り製」も作られています。
1. 焼く
茶の葉を枝ごと刈り取って焚火で炙り、葉を湯で煮出して飲むものです。「焼き茶」と呼ばれます。
製品化されているものではなく、簡便な自家消費用のお茶です。かつでは林業者が山仕事の合間に作って飲んでいました。
2. 炒る
焼き葉では、チャの一部が燃えてしまったり、焚火の煙の香りがついたりします。
そこで鉄製の釜で生葉を炒って殺青するようになりました。「釜炒り茶」と呼ばれ、中国の直茶はこの釜で炒る方法が主流です。
日本では九州地方を中心に作られていますが、「蒸し」にはない窯で炒った「釜香」といわれる独特の香りがあります。
3. 煮る
お湯で煮たりゆでたりして、生葉に均一に熱を伝える作り方です。今でも山茶のある地域で自家消費用の番茶として作られています。
岡山県の美作番茶もその一つで、夏の暑い時期の成長した葉を鉄鋼で時間をかけて煮て、天日で乾かします。
4. 蒸す
蒸気を使うことによって短時間で均一に殺青することができ、緑茶の新鮮な香りを残しつつ、鮮やかな緑色の緑茶に仕上がります。
日本の緑茶のほとんどが蒸し製で、普通煎茶は蒸熱時間が30-40秒間、深蒸し煎茶は60-120秒間です。