チャノキを刈る理由とは?その目的と効果
はじめに
茶樹の表面を刈る作業には二つの目的があります。
一つは「整枝」で、茶株面を綺麗にそろえる作業、もう一つは「剪枝」または「更新」で、木の高さを低く切り下げる作業です。
茶園管理の基礎「整枝」
チャノキの「整枝」は、茶葉の品質を維持し、樹勢を保つ上で欠かせない作業です。
その目的は、新芽を一斉に生やすことで、摘採時の作業効率を上げ、茶葉の品質を向上させることにあります。
整枝の時期は、大きく分けて秋と春の2つがあります。
秋に行う整枝は、主に夏に生長した枝を剪定し、樹の負担を軽減して翌年の芽出しを促すことを目的としています。
一方、春に行う整枝は、新芽の生育を促進し、収穫量を増やすことを目的としています。
これらの整枝に加え、一番茶や二番茶の摘採後に、遅れて出てきた芽で茶株面が不揃いになった場合にも、整枝を行うことがあります。
整枝の方法は、樹種や生育状況、目的によって異なります。適切な時期と方法で整枝を行うことで、茶園の維持管理を行い、高品質な茶葉を安定的に収穫することができます。
一方の「剪枝」は茶樹を思い切って短く刈ることです。
茶園の寿命と生産性の変化
茶園の生産終了は、その茶園から収穫できる茶葉の量や質、そして経済的な側面を総合的に判断して決定されます。
具体的には、1つの株から収穫できる茶葉の量、単位面積当たりの新芽の数、茶園全体の面積、そして実際に茶葉を摘み取る面積の割合などが重要な要素となります。
しかし、長年にわたって茶葉を摘み取り続けると、チャノキの枝は増えていきますが、同時に新芽や枝が細くなり、茶葉の品質が低下するという現象が見られます。
これは、茶の木が過度に消耗し、新たな芽を出す力が弱まるためです。
チャノキの剪定の目的と効果
チャノキの剪定は、一時的に新芽の数を減らす代わりに、新芽を太く育てることで、茶葉の品質向上に繋がります。
また、樹高が高くなりすぎると茶葉の摘採作業が困難になるため、剪定によって適切な樹高を維持することも重要な目的です。
剪定の時期と方法
一般的に、一番茶を摘み取った後が剪定の最適期とされています。
剪定の方法としては、刈り込む深さによって、浅刈り、深刈り、中切り、台切りなどがあり、樹木の状態や茶園の状況に合わせて使い分けられます。
チャノキの仕立て方
チャノキの仕立て方には、饅頭型、半円型、弧状型、水平型など、様々な種類があります。
これらの仕立て方は、摘み取る茶葉の種類や栽培方法によって使い分けられます。
例えば、玉露や碾茶の茶園では、自然な樹形を生かした「自然仕立て」が一般的です。
このように、茶の種類や栽培目的によって、最適な仕立て方を選択することで、高品質な茶葉を収穫することができているのです。