荒茶って何?茶葉本来の味を楽しもう!
荒茶とは
お茶は、私たちが普段飲んでいるような美しい緑茶になるまで、いくつかの工程を経ます。
その最初の段階で作られるのが「荒茶(あらちゃ)」です。
茶畑で摘み取られた新鮮な茶葉は、まずは発酵を防ぐために、すぐに萎凋(いちょう)と呼ばれる蒸しの工程を経て、その後、揉み、乾燥といった工程を繰り返します。
これら3つの工程(蒸し・揉み・乾燥)を経てできたものが「荒茶(あらちゃ)」なのです。茶葉の形や大きさが不揃いで、葉っぱ以外のものも混入しています。
荒茶と煎茶との違い
上で説明した荒茶(あらちゃ)ですが、私たちがお店で手軽に購入できるような、美しい緑茶やほうじ茶になるためには、さらに加工が必要になります。
荒茶(あらちゃ)は、茶問屋や製茶工場に運ばれ、形や大きさが整えられるほか、保存がきくように火入れをされたりなど、選別、乾燥、揉みなどの「仕上げ加工」と呼ばれる工程を経て、ようやく私たちが飲むお茶として生まれ変わります。
これが私たちがスーパーなどでよく見かける「煎茶」です。これを仕上げ茶といいます。
仕上げ加工によって、荒茶は形を整えられ、雑味が取り除かれ、より美味しく、見栄えもよく、そして長期保存ができるようになります。
つまり、荒茶は、私たちが普段飲んでいるお茶の原料であり、その後の加工によって、様々な種類のお茶へと姿を変えていくのです。
なかなか販売されていない荒茶
いかがでしたか。コーヒー豆にも「粗挽き」がありますが、お茶にも同じように「荒茶」と呼ばれるものがあるんですね。
ただし、コーヒー豆の粗挽きとは異なり、荒茶は一般的にはあまり流通していません。
先ほどもお伝えしたように、荒茶の茶葉は、形も大きさもバラバラで、茎や粉も混ざり合っています。
見た目だけの問題ならばさほど支障はないかもしれませんが、何より水分量も5%程度と多く、そのままでは長く保存することができないのです。
そのため、スーパーなどの販売店で見かけることは多くありません。
とはいえ、茶葉本来の豊かな風味をじっくり味わえるということで、意外にもファンは多いお茶です。
蒸気で蒸して乾燥させただけのシンプルな製法のため、見た目は素朴ですが、摘みたての新鮮な香りが口いっぱいに広がります。
山本山のおすすめ
山本山で販売している「荒茶仕立せん茶」は、製茶工場にて仕上げ加工は行っておりますが、あえて茎、粉、芽、柳を残すように「荒仕上げ加工」を施しております。
荒茶の雑味を排除しつつ、荒茶の特徴である茶葉本来の風味を強く残しています。
力強い味わいが特徴で、お茶本来の味と香りを楽しむことができます。ぜひ一度、その風味豊かな味わいを体験してみてください。