実は全国2位!鹿児島茶が全国有数の生産量を誇る理由
はじめに
お茶の生産といえば静岡県を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は鹿児島県も全国有数の茶産地なのです。
都道府県別の茶生産量で、静岡県に次いで2位という実績を誇っており、全国の3割以上を占めるようになっています。
鹿児島茶が全国有数の生産量を誇る理由
鹿児島県が茶の生産に適している理由は、地理的条件、歴史的な背景、そして品種の多様性という3つの要素が複合的に作用しているからです。
1. 恵まれた地理的条件
まず、地理的条件としては、温暖な気候と豊富な日照時間、そして火山灰由来の肥沃な土壌が挙げられます。
特に、桜島からの火山灰が堆積した土壌は、水はけがよく、ミネラルも豊富で、茶樹の生育に最適です。
これらの自然条件が、質の高い茶葉を安定的に生産できる環境を形成しています。
2. 早期の機械化の実現
次いで、歴史的な背景としては、鹿児島県は茶の栽培の歴史は比較的浅いものの、機械化を積極的に導入し、大規模な茶園を造成することで、短期間に生産量を大幅に増やしました。
また、平坦な土地が多いことも、機械化を推進する上で有利に働きました。
平坦な土地には乗用型の摘採機が茶畑に入りやすく、これが土地面積当たりの収穫量を引き上げました。
3. 多様な品種と長い収穫時期
さらに、品種の多様性も鹿児島茶の特徴です。
鹿児島県では、温暖な気候を活かして、様々な品種の茶を栽培しています。
日本で最も育てられている品種はやぶきたで、静岡をはじめ「やぶきた」という品種が主流の生産地がほとんどなのですが、鹿児島県では「ゆたかみどり」、「さえみどり」、「あさつゆ」、「おくみどり」、「かなやみどり」など、多様な品種が栽培されており、これにより、年間を通して様々な風味のお茶を楽しむことができます。
また、鹿児島県のお茶は、収穫時期も特徴的です。
茶摘みの歌にも出てくる八十八夜は立春から数えて88日目、つまり5月上旬ですが、温かい鹿児島では4月から収穫が始まり、秋冬まで長く生産が続けられます。
まとめ
このように、鹿児島県は、自然条件、歴史、そして品種の多様性という3つの要素が組み合わさることで、全国有数の茶産地へと成長しました。
知覧茶をはじめ、志布志、霧島など鹿児島県には多くの産地があり、それぞれの地域で特徴のあるお茶が生産されています。
静岡茶に負けない、高品質な鹿児島茶を、ぜひ一度味わってみてください。