深蒸し煎茶と普通煎茶の違いとは?風味の違いや特徴などを徹底解説
「普通煎茶」と「深蒸し煎茶」の違い
煎茶の中には「普通煎茶」と「深蒸し煎茶」という種類があります。
「普通煎茶」と「深蒸し煎茶」の違いは、製造過程で茶葉を蒸す時間の長さにあります。
普通の煎茶は蒸し時間が30-40秒なのに対し、深蒸し煎茶はその2-3倍長く蒸します。
蒸す時間を長くすることで、茶葉が柔らかく、細かく砕けやすくなり、お茶の色が濃く、味が濃厚になるという特徴があります。
近年は特に関東地方で人気が高まっているお茶です。
茶葉を長時間蒸す理由
なぜ、このように長い時間蒸すのか。その理由は、茶葉の性質と製茶の工程にあります。
太陽の光をたくさん浴びて育った茶葉は、硬くて揉みにくく、渋みが強いという特徴があります。
そこで、長く蒸すことで茶葉を柔らかくし、揉みやすくするとともに、渋みを抑えることができるのです。
さらに、長時間蒸された茶葉は、揉むと細かく砕けやすくなり、お茶に含まれる成分がより抽出されやすくなります。
そのため、深蒸し茶は、短時間で濃い緑色の、風味豊かなお茶を淹れることができるのです。
しかし、最初の煎茶で多くの成分が出てしまうため、二煎目以降は味が薄くなってしまうという特徴もあります。
一方、短時間しか蒸さない普通煎茶は、茶葉がしっかりと形を保ち、ゆっくりと成分が抽出されていくため、二煎目、三煎目と長く楽しむことができます。
一般的に、平坦な土地で育った茶葉は、太陽光をたくさん浴びて硬くなるため、深蒸し製法が用いられることが多いです。
一方、山間部で育った茶葉は、日陰が多く、柔らかく育つため、短時間で蒸す製法が適しています。
深蒸し煎茶が生まれた背景
深蒸し煎茶が作られるようになった背景には、茶葉の品質の向上や、消費者の嗜好の変化があります。
昔は、茶葉は硬く、渋みが強いものが多かったため、これを改善するために、蒸す時間を長くして、より飲みやすくする工夫がされました。
また、現代では、濃い緑色の見た目が美しく、濃厚な味わいの深蒸し煎茶が好まれる傾向にあります。
短時間で手軽に、そしてしっかりと緑茶の色と風味を楽しめる深蒸し煎茶は、忙しい日々を送る現代人にとって、最適だったのかもしれません。
栄養価に注目されている深蒸し煎茶
さらに近年では、深蒸し煎茶の健康効果も注目されています。
そうはいっても、普通煎茶と深蒸し煎茶とで、茶葉に含まれる栄養価自体に違いはありません。
しかし、深蒸し煎茶は、通常の煎茶よりも長い時間蒸すことで、茶葉が柔らかく、細かく砕けやすくなります。
この製法によって、通常では溶け出しにくい栄養成分まで抽出できるのです。
茶葉の粉末が湯飲みの底に沈殿していることがありますが、この部分には、カテキンをはじめとする様々な栄養素が凝縮されています。ぜひ捨てることなく味わってみてください。
まとめ
いかがでしたか。
深蒸し煎茶は、通常の煎茶とは少し異なる製法で作られた、濃厚でまろやかな味わいが特徴の緑茶です。
栄養も豊富で、健康にも良いと言われています。また、見た目に反して苦みが少ないため、お茶の苦み、渋みが苦手な方やお子様にも好まれる傾向があります。
まだお手に取ったことがない方は、ぜひ一度、深蒸し煎茶を試してみてはいかがでしょうか。