普通煎茶の淹れ方7ステップ!重要なポイントは4つだけ
はじめに
お茶には様々な種類がありますが、本記事では日本で最も飲まれるお茶、煎茶を例に基本的な淹れ方をご紹介します。
煎茶は主にうまみを楽しむお茶なので、熱湯ではなく低めの温度で淹れるのが基本です。高温で淹れるとせっかくの色素が破壊され、雑味も出てしまいます。
茶葉の種類にもよりますが、普通煎茶は70-75度の低温で淹れるのがおすすめです。
なお、玉露やかぶせ茶などその他のお茶についても基本的な淹れ方は同じだとお考え下さい。
ただ、最適な温度や時間は異なりますので、その点だけ変えて楽しみましょう。
準備するもの(以下は1人分)
- 人数分の茶器
- お湯:150ml(70-75℃)
- 茶葉:3g-4g
- 浸出時間:1.5-2分
普通煎茶の淹れ方7ステップ
1. 人数に適した茶器を用意する
まずは人数分のお湯が入る大きさの急須と人数分の茶碗を用意します。
2. 人数に適したお茶の葉を用意する
1人分約3-4グラムを目安として、人数分のお茶の葉の量を用意します。ただし、一人の時はやや多めにし、5人以上の場合は一人分約2gと少なめにします。
3. 沸かしたお湯を茶碗に入れる
まず、5分ほど沸騰させたお湯を、やかんから急須に、急須から湯呑へと注ぎます。
これにより、急須と茶碗を温めることができるとともに、湯の量を測ること、湯の温度を冷ますことが同時に可能となります。
二度移し変えたことで、お湯の温度は80-85℃程度まで下がります。種類によって適温はやや異なりますが、煎茶の場合はおおよそ70-80℃くらいが適温です。
4. お湯を茶碗で冷ましている間に、急須に茶葉を入れる。
急須に残った余分な湯を捨て、茶葉を入れます。量はスプーン2杯(3-5グラム程度)、ひとりあたり茶さじまたはスプーンで一杯ほど。
5. 湯呑で冷ましたお湯を急須に移す
少し温度が低くなった湯呑の中のお湯を、急須に戻します。これが3回目の移し替えとなり、湯温はちょうど75℃程度になります。
6. 1分弱から2分蒸らす
普通煎茶の場合はおおよそ1-2分となりますが、茶葉の種類によっても異なるため、詳しくはパッケージ記載の情報を確認してください。
ちなみに茶葉は、およそ4倍の水を吸収することから、その分を見込んでお湯を余分に用意しましょう。茶葉が8-9分目開いた頃が、一煎目を淹れるポイントです
7. 何度かに分けて注ぐ
まずは湯呑に三分の一ほどお湯を注ぎます。次の器にも同様に注ぎ分けましょう(これを廻し注ぎといいます)。
一回で注ぐより、小分けにしたほうがお茶の味がしっかり出ます。茶湯の量、色が均等になるように茶碗は交互に注ぎましょう。
おいしい煎茶を飲むならやってはいけない4つのポイント
以下では、おいしい普通煎茶を淹れるために注意したいポイントを4つご紹介します。
1. 急須を揺らさない
ついついやりがちですが、水色や味を濃く出そうとお湯を注いだ後に急須をゆらゆら回すのは、雑味の原因になるのでNGです。
お茶のうまみ成分だけでなく、苦みや渋み成分が溶けだす原因になります。
焦らずじっくりと、茶葉が自然にほどけ、上品なお茶の味わいがお湯に溶け出るのを待ちましょう。
2. 一度に注ぎきるのではなく、回し注ぎをする
お茶を淹れたら一つずつ茶碗に注いでいくのではなく、必ず回し注ぎをします。たとえばA、B、Cの三つの茶碗がある場合、A→B→C、C→B→A、A→B→Cの順で繰り返して回し注ぎをします。こうすることで、濃さと量が調整しやすいです。
一つの茶碗に飲み注ぐ場合も、必ず複数回に分けて注ぐようにしましょう。
一つの茶碗に、1回と2回、3回に分けて注いだ場合と、 1回で注ぎ切ったお茶を比べると、後者はやや水っぽい味になり、水色も薄いです。
3. 最後の一滴まで注ぎきる
お茶を淹れるポイントで最も大切なことが、最後の一滴までお茶を注ぎきることです。
ちょっとお湯の量が多すぎたな‥というときも、必ず最後の一滴まで注ぎきりましょう。最後の一滴が味はもちろん栄養成分も最も濃く、一番価値がある一滴であるといわれています。
また、お茶を淹れる際は、多くの場合、二煎目を淹れることが多いと思うのですが、一煎目でしっかり水分を切っておかないと、二煎目が苦みや渋みが強いお茶になってしまいます。
しばらく放置することで茶葉が酸化してしまい、風味も劣化します。
最初にお湯の量を湯のみで測っておけば、お湯が多すぎて注ぎきれない、ということはありません。必ず最後の一滴まで注ぎきるようにしましょう。
4. 一度注ぎ終わったら、急須のフタをずらす
一煎目を注ぎ終わった後、急須のフタをしたままだと蒸気で中の茶葉が蒸れて開いてしまいます。これが、2煎目以降が苦くなったり渋くなる原因となります。
一度注ぎ終わったら、フタを取っておくなり、少しずらしたりして下さい。急須の中の熱を逃がすことで、茶葉の蒸れすぎを防ぎましょう。