実は知らない!海苔とあおさ、青のりの違い
はじめに
見た目がよく似ている青のりとあおさ。そして呼び名がそっくりなことから混同されていることが多いあおさのり。
これらはいずれも緑色の海藻で、日本人の食卓に欠かせない食材です。しかし、実はそれぞれ異なる種類であり、見た目や味、香り、栄養成分、食べ方などにも違いがあります。
海藻の3つの種類
そもそも海藻は、色と生息場所(海の深さ)により、以下の3つの種類に分けられます。
- 紅藻(こうそう)
- 緑藻(りょくそう)
- 褐藻(かっそう)
紅藻類
紅色の色素であるフィコエリスリンを多く含む海藻です。海の中でも最も深い場所に生息しています。代表的な種類は、ノリ、テングサ、アカモクなどです。
緑藻類
緑色の色素であるクロロフィルを多く含む海藻です。水深が浅いところに生息しているため、太陽の光を浴びて光合成を行います。代表的な種類としてはあおさや青のり、海ブドウ、ヒトエグサなどです。
褐藻類
褐色の色素であるフコキサンチンを多く含む海藻です。海の中でも深い場所に生息しています。代表的な種類としては、昆布やもずく、わかめ、ヒジキなどです。
青のり、あおさ、あおさのりは違う種類
見た目がよく似ているこれらの海藻、同じ緑藻類ではあるのですが、細かく分けると以下のように違う種類になります。
青のり
緑藻類のアオサ科アオノリ属に属する海藻です。乾燥させて細かく砕いた粉末状のものがほとんどです。主な産地としては、徳島県が挙げられ、全国の8割近くが徳島県産です。
あおさ
緑藻類のアオサ科アオサ属に属する海藻です。主な産地は三重県で、冬から春にかけてが旬の時期です。糸状のものや、乾燥させて細かく砕いた粉末状のものがあります。
あおさのり
緑藻類に属するヒトエグサ科ヒトエグサ属に分類されています。「あおさのり」とは別名で、正式名は「ヒトエグサ」です。ヒトエグサを乾燥させたものが「あおさのり」として流通しています。糸状や葉状、粉末状など様々な形状で販売されています。
味と香りも全然違う
青のりは、鮮やかな緑色で磯の香りとともに、ほのかな甘みと爽やかな風味が特徴です。サクサクとした食感で、口の中で溶けるような感覚があります。スナック菓子の味付けで多くみられることから誤解されているのですが、青のり自体非常に高価な食材で、値段も高い傾向にあります。焼きそばなどにかかっている「青のり」は実際は「あおさのり」であることも多いです。
青のりとよく似ているあおさですが、 青のりに比べると磯の香りは少々劣っており、それゆえ比較的安価で販売されていることが多いです。ほのかな甘みと潮味があります。柔らかい食感で、水分に溶けやすいので、味噌汁やスープに入れたり、だし巻き卵にませて使われることも多いです。
あおさのりは、香ばしい磯の香りが特徴で、お蕎麦やスープに入れるとうまみが際立ちます。糸状や葉状のものは水に戻すと5-6倍程度に膨らみ、柔らかくも弾力のある食感を楽しむことができます。一方、粉末状のものは、口の中で溶けるような感覚があり、ふりかけや調味料として使いやすいです。
栄養成分に違いはあるの?
青のり、あおさ、あおさのりの3種類とも栄養成分は非常に豊富で、大きな違いはありません。ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ミネラル(カルシウム、カリウム、鉄分など)が豊富に含まれているほか、β-カロテンや食物繊維の含有量が多いのが特徴です。
強いて挙げるとすると、β-カロテンの含有量に関しては、あおさとあおさのり(ヒトエグサ)の方が青のりよりも若干多い傾向があります。β-カロテンは、抗酸化作用があり、アンチエイジング効果や免疫力向上効果などが期待できます。
さいごに
いかがでしたか。今回は、混同しやすい青のり、あおさ、あおさのりについてご紹介しました。
青のり、あおさ、あおさのり(ヒトエグサ)は、いずれも栄養価が高く、健康に良い海藻です。β-カロテンの含有量に若干の違いはありますが、それぞれの違いを理解した上で、食生活に取り入れてみてください。