緑茶のカフェイン量はどのくらい?1日何杯までOK?
はじめに
コーヒーや紅茶にカフェインが多く含まれていることはよく知られていますが、実は日本茶にも、それらの飲み物に匹敵するほどのカフェインが含まれていることをご存知でしょうか。
カフェインは、私たちの体に様々な影響を与える生理活性物質です。その主な働きは、大きく分けて3つあります。
お茶に含まれるカフェインの3つの働き
1. 中枢神経系への作用
覚醒作用、集中力向上、疲労回復など、脳の働きを活発にする効果が期待できます。眠気覚ましや集中力を高めたいときに役立ちます。
2. 心臓への作用
心臓の働きを活発にし、血圧を上昇させる効果があります。運動能力の向上にもつながると考えられています。
3. 腎臓への作用
利尿作用があり、体内の余分な水分を排出します。むくみ解消や、運動後の水分補給に役立ちます。
これらの作用以外にも、カフェインは骨格筋の活性化や代謝の促進など、様々な生理作用を持つことが知られています。
カフェインの効果的な活用と注意点
カフェインは、適切なシーンで、適切な量を摂取することで、私たちの生活をより豊かにする可能性を秘めています。例えば…
- 集中力を高めたい時:試験前や仕事中に、カフェインを含んだお茶を飲むことで、集中力を高めることができます。
- 運動のパフォーマンスアップ:運動前にカフェインを摂取することで、運動能力の向上を期待できます。
- 疲労回復:疲労を感じたときに、カフェインを摂取することで、リフレッシュ効果が得られます。
このように、うまく摂りいれることで私たちの日々の活動にとても役に立つカフェインですが、当然摂り過ぎることによるリスクも存在します。
過剰に摂取することで不眠や動悸、頭痛、めまい、胃腸障害などの症状が現れる可能性があります。
それだけにとどまらず、短期間に大量にカフェインを摂取することで急性の中毒症状を引き起こす可能性もあり、実際に日本国内においてもエナジードリンクを摂取した後に亡くなった例が複数存在します。
1日のカフェイン摂取量
日本においては実は一日の最大摂取量目安が定められていません。これについては、「カフェインに対する感受性に個人差があるため」とされています。
一方で、カナダやオーストラリアなどでは1日の摂取量基準が定められており、妊娠中や授乳中の方を除いて、一般的に、健康な成人であれば1日のカフェイン摂取量は400mgまでが目安とされています。
とはいえ、現在挙げたものはあくまで目安です。
国が基準を定めていないことからも分かるように、特にカフェインに対する感受性は個人差が大きく、上限を超える量を摂取しても全く問題がない人もいれば、上限目安量よりはるかに少ない量を摂取しても影響を受ける人もいます。
また、その日の体調やライフスタイルによっても大きく異なります。心配な方は医師に相談するようにしましょう。
日本茶に含まれるカフェインの量
日本茶に含まれるカフェインの量は、お茶の種類によって大きく異なります。
一般的に、茶葉が若いほど、カフェインの含有量が多い傾向にあります。そのため、新芽を覆って栽培される玉露は、日本茶の中でも特にカフェインを多く含んでいます。
飲み物に含まれるカフェイン量 (100mlあたり)
- 玉露:160mg
- 抹茶:60mg
- コーヒー :60mg
- ホットココア:35mg
- 紅茶:30mg
- 烏龍茶:20mg
- 普通煎茶:20mg
- ほうじ茶:20mg
- 番茶:10mg
- 玄米茶:10mg
- 釜炒り茶:10mg
- 麦茶:0mg
上記のように、玉露はコーヒーをはるかに超え、抹茶についてもコーヒーに匹敵するほどのカフェイン量を含んでいます。
一方、ほうじ茶は焙煎することでカフェインが減少するため、カフェインを気にせず飲めるお茶として人気です。
緑茶の場合は1日何杯まで?
緑茶に含まれるカフェイン量は、種類や淹れ方によって大きく異なりますが、1杯あたり30~50mg程度が一般的です。
つまり、1日に8~13杯程度の緑茶を飲めば、カフェイン摂取量の上限、400mgに達します。一般的に考えて、ここまで大量の緑茶を飲むことは少ないと思うのですが、1日多くとも5-6杯までに収めると安心です。
まとめ
いかがでしたか。もちろん過剰摂取には注意が必要ですが、日本茶に含まれるカフェインは、適切な量を摂取することで、生活の質の向上に役立ちます。
また、カフェインを効果的に活用するためには、自分の体質や状況に合わせて、摂取量を調整することが大切です。カフェインだけでなく、お茶に含まれる他の成分も健康に良い影響を与えるため、バランスの取れた食事と合わせて、お茶を楽しむようにしましょう。