
茶色こそお茶の原点!緑茶との違い、番茶が語る驚きの歴史
はじめに
「茶色」という色の名前の由来は、実はお茶の色から来ています。
しかし、私たちが一般的にイメージするお茶の色は「緑色」であり、「茶色」と答える方は少ないかもしれません。
それなのに、なぜ「茶色」がお茶の色を表す言葉になったのでしょうか。その鍵は、かつて主流だったお茶、「番茶」にあります。
茶色はお茶の色だった その理由は番茶にあり
昔、お茶の葉で染められた色は茶色でした。
それは、お茶の染みが緑色ではなく茶色になることからも想像できます。つまり、お茶本来の色は茶色だったのです。
昔、お茶の葉で染めた色は、私たちが想像する鮮やかな緑色ではなく、茶色だったのです。
それは、摘んだお茶の葉を直接釜で炒り、筵の上で揉んで天日干しにするという、番茶の製法に起因します。
この製法で作られた茶葉は黒っぽく、淹れたお茶の色も緑色ではありませんでした。
先に「茶色」という色の概念ができていたところに、後から緑色のお茶が普及したため、「お茶といえば緑」というイメージが定着したのです。
お茶の緑色の正体は葉緑素
現在、私たちが楽しんでいる緑茶の美しい緑色は、茶葉に含まれる葉緑素(クロロフィル)によるものです。
通常、葉緑素は水に溶け出しにくい性質を持ちますが、緑茶に含まれるサポニンという成分の界面活性作用によって、微量の葉緑素がお湯に溶け出すのです。
さらに、同じく茶葉に含まれるカテキンが葉緑素の色素を保護するため、鮮やかな緑色の水色を保つことができるのです。
このようにお茶の色は時代とともに変化してきたと言えるでしょう。