お茶好き必見!掛川茶の濃厚で奥深い味わい
はじめに
掛川茶は、静岡県西部、掛川市を中心に生産される緑茶です。その歴史は古く、江戸時代から「遠州茶」として全国に知られていました。深蒸し製法による濃厚な旨味とコクが特徴で、日本を代表する緑茶の一つとして愛されています。
掛川茶の歴史
静岡茶自体は、鎌倉時代に、聖一国師が宋から持ち帰ったお茶の種をまいたのが始まりですが、掛川茶の起源はそれとは別の経緯です。
お茶が掛川に伝来したのは、十六世紀後半。お寺の改築のために京都へ施策に向かった檀徒が、茶の種を持ち帰り、地元の寺にまいたのがきっかけとされています。
江戸時代には、掛川城の城主であった山内一豊が徳川家康に掛川茶を献上したという逸話も残っており、その品質の高さが広く知られるようになりました。
明治時代になると、掛川茶は輸出商品として注目を集め、生産量も大幅に増加しました。2017年には、「掛川茶」の名称が地域団体商標として登録され、その品質と歴史が保護されています。
掛川茶の特徴
いち早く牧野原で生まれた深蒸し煎茶ですが、掛川においても1975年頃から、深蒸し製法が導入され、現在の掛川茶の濃厚な味わいが確立されました。
深蒸し茶はその名の通り、通常の煎茶よりも長い時間茶葉を蒸す製造工程を経ます。
こうすることで、旨味成分が壊れにくくなり、濃厚でコクのあるうまみを味わうことができるのです。渋みと旨味のバランスが良いことから大変飲みやすく、美しい鮮やかな緑色の水色をしています。
また、深蒸し茶は近年その栄養価の高さからも注目されています。
鮮やかで濃い緑色の深蒸し茶には、細かい浮遊物がたくさん含まれているのが特徴です。これは、蒸し時間が長いことにより茶葉の組織が壊れていることによるものですが、微粉には多様な栄養素が含まれています。
陽射しをたっぷりと浴びた茶葉は、肉厚で豊富にカテキンを含んでいます。深蒸し製法により、組織がほぐれやすい掛川茶は、カテキンはもちろん、お湯や水に溶けにくい食物繊維やミネラルなどの成分も、より多く摂取することができる健康効能の高いお茶です。
まとめ
いかがでしたか。
掛川市は、温暖な気候と肥沃な土壌に恵まれ、お茶の栽培に適した地域です。全国や関東ブロック、県の品評価委などにおいて、何度も優秀な成績を収めている掛川茶。国内外で多くの人に愛されています。もし機会があれば、ぜひ本物の掛川茶を味わってみてください。