自宅で簡単!煎茶を美味しく淹れる方法
はじめに
煎茶は、日本を代表するお茶の一つです。さわやかな香りと旨味、ほのかな渋みが特徴で、多くの人に親しまれています。今回は、煎茶を美味しく淹れるための基本をご紹介します。
用意するもの(材料と道具)
・急須
・茶碗
・ティースプーン
・茶葉
・お湯
・タイマー
・茶托
煎茶二人分
・茶葉:4-5グラム(ティースプーン2杯分)
・お湯の量:160CC
・温度:70-75℃程度(一煎目)、82℃程度(二煎目)
煎茶の淹れ方
0. お湯を沸かす
やかんに汲みたての水を入れて、火にかけ沸騰させます。水が沸騰したら、そのまま1、2分沸かし続けることが大切です。
これによってカルキ臭を飛ばすことができるほか、沸騰させ続けることで水のクラスター(分子の集合体)が細かくなるので、茶葉に水の分子が浸透しやすくなり、成分や味がよく出るようになるといわれています。
1. 急須に沸騰したお湯を注ぎ、急須からさらに茶碗の八分目までそれぞれ注ぐ。
これには、お湯の温度と量の調整という二つの意味があります。
お茶にはそれぞれ適温があります。煎茶の場合は、高温で淹れることで色素が破壊されるとともに、雑味も出てしまいます。そのため、器を移し替えることで温度を調整します。
お湯は一度ほかの器に移すごとに約7℃下がります。ポットのお湯が90℃程度だとすると、急須に注いで82℃、急須から茶碗に移すと75℃程度になります。そこから急須にお湯を戻せば、急須は温まっているので70℃程度になります。
また、茶碗に注ぐことでお湯の適量も分かり、お湯を余すことなくぴったりと注ぎきれるようになります。
そのほか、茶碗や急須を温める狙いもある。こうすることで、茶葉の香りを引き出しやすくなります。
2.ティースプーンで茶葉を計量し、急須に入れる。
急須に残った余分なお湯を捨ててから、茶葉を淹れます。量はスプーン二杯が目安です。
茶筒を使っている場合は、計量した茶葉を、一度茶筒の蓋に移してから、急須に入れましょう。これは、ティースプーンを急須のなかに直接入れることで、二杯目をすくう際に茶筒の茶葉が湿ってしまうことを避けるためです。
茶筒を使わず購入した当時のパッケージのまま茶葉を保管しているという方もいるかもしれませんが、その場合も湿ったティースプーンを茶袋に入れないように気を付けてください。
少し面倒かもしれませんが、できるだけ茶筒に移したほうがよいでしょう。茶葉は空気に触れると酸化し、香りと味が損なわれてしまいます。茶筒にいれて密閉して保管することで酸化を防ぎ、鮮度を保つことができます。
3.茶碗の八分目まで注いでおいたお湯を、それぞれ急須に入れる
茶碗に入れて適温になったお湯を、急須に注ぎます。ポット→急須→茶碗→急須と移し替えたお湯の温度は、煎茶に適した70-75℃になります。
4.急須のふたをして時間を計る。
急須の蓋をして茶葉を蒸らし、味を浸出させます。
蒸し時間は、普通煎茶なら1分、深蒸し煎茶なら30秒、釜炒り茶は60秒、蒸し製玉緑茶は30秒、かぶせ茶は90秒、茎茶と芽茶や約40秒が目安です。
5.時間が来たら、濃さと量が均一になるように、廻し注ぎ
茶葉が8-9分目まで開いた頃が一煎目を注ぎ始めるタイミングです。一回で注ぎきるのではなく、水色を見ながら「廻し注ぎ」をしてください。また、均一の味になるように茶碗に交互に注ぎましょう。
6.急須の注ぎ口を真下に向けて、最後の一滴まできちんと注ぎきる
急須の中に少しでもお湯が残っていると、残った成分が浸出し続けてしまいます。これが、二煎目以降の苦みや渋みに繋がり、風味が落ちてしまう原因となりますので、必ず最後の一滴まで注ぎきるようにしましょう。
7.急須に残った茶葉を平らにしておく
一度注いだ後の茶葉は、どうしても注ぎ口のほうに偏っています。一煎目を注ぎ終えたら急須の側面をトントンと叩いて、茶葉を平らにしておきましょう。こうすることで、二煎目についても茶葉の風味をしっかり浸出させることができます。
8.二煎目を淹れるまで急須のふたはずらしておく。蓋をずらすことで茶葉が蒸れるのを防ぐ。
急須のフタをしたままだと蒸気で中の茶葉が蒸れて開いてしまいます。これも、2煎目以降が苦くなったり渋くなる原因となります。一度注ぎ終わったら、フタを取っておくなり、少しずらしたりして下さい。急須の中の熱を逃がすことで、茶葉の蒸れすぎを防ぎましょう。
二煎目を淹れる際の注意点
二煎目を淹れる手順についても、基本的に一煎目と同様です。異なる点としては、蒸らし時間とお湯の温度です。
茶葉は既に開いているので、蒸らす時間は1煎目より短くて構いません。急須にお湯を注いだら、すぐに茶碗に廻し注ぎを行いましょう。
また、お湯の温度は一煎目より少し高めにします。これは、一煎目である程度成分が出てしまっているため、高い温度で淹れるほうがお茶の風味を味わうことができます。
普通煎茶と深蒸し煎茶の違い
煎茶には普通煎茶と深蒸し煎茶の二種類があり、基本的な淹れ方は同じですが、抽出時間が異なります。
- 普通煎茶:60秒
- 深蒸し煎茶:30秒
普通煎茶は摘み取った茶葉を時間を置かずに蒸気で加熱し、揉みながら乾燥させたものです。蒸し時間は30秒~40秒と短く、爽やかな香りに渋みと苦み、甘さのバランスが取れた味わいが魅力です。
一方の深蒸し煎茶は、基本的な工程は同じですが、普通煎茶よりも蒸し時間が長く(60秒~80秒ほど)、まろやかな味わいが特徴です。
蒸し時間が長い深蒸し煎茶は、普通煎茶に比べて茶葉の繊維が壊れやすくなっています。お湯を注いでから茶葉が開くのが早いため、浸出時間は普通煎茶の半分ほどで構いません。
まとめ
いかがでしたか。今回は煎茶の淹れ方についてご紹介しました。
これがすべてのお茶の基本となります。少しずつやりやすいところからで構いませんので、ぜひ試してみてください。
この一連の流れに慣れれば、自然と美味しい煎茶が淹れられるようになることに加え、その日の体調や気分に合わせて、自分好みに味も調整ができると思います。
ぜひ正しい淹れ方をマスターして、日本茶の魅力を心ゆくまで味わってみてください。