実は奥深い!スーパーでお茶を買う際に見るべきポイント
はじめに
スーパーで茶葉を買う方が多いと思うのですが、中身が見えない茶葉を選ぶには、そのラベル(パッケージ)が大きな手掛かりになります。
ラベルにはお茶についての説明書きや色々な情報が記載されています。
普通煎茶や深蒸し煎茶などのお茶の種類、産地、品種などのような情報を記載していたりします。
味わいや品質を知る手掛かりになるので、それらの情報が意味することを理解できるようにしておけるといいですね。
お茶のパッケージでみるべき5つのポイント
ポイント①お茶の種類を見る
あまりお茶を飲まない方は、麦茶か緑茶かほうじ茶か、くらいの種類しかご存じないかもしれませんが、同じ煎茶のなかでも普通煎茶と深蒸し煎茶などと別れているなど、日本茶の種類は非常に多岐にわたります。それぞれ味が異なるので覚えておきましょう。
代表的な日本茶の種類
1. 普通煎茶:日本を代表する緑茶。茶葉の蒸し時間は30秒。生葉を蒸して、揉みをかけ細く撚っていくため、良質の煎茶は細く針のようになっています。フレッシュな風味と渋みと旨みのバランスの良さが特徴。
2. 深蒸し煎茶:普通煎茶に比べて茶葉の蒸し時間が1-2分と長め。加熱時間が長いため、普通煎茶より色や味が濃く、苦みや渋みが抑えられたまろやかな味わいが特徴。
3. 番茶:地域によって定義は様々ですが、一番茶や二番茶の後に収穫される茶葉を使った秋ごろに摘まれる茶葉を使ったお茶。一番茶のようなうまみはないものの、カテキンの含有量が多く、健康効果が期待できる。
4. 釜炒り茶:茶葉を蒸すのではなく、釜で炒ることで発酵を止めたお茶。香ばしい香りと癖のないさっぱりとした味わいが特徴。
5. 芽茶:煎茶や玉露を作る際に生まれた細かい茶葉を集めたお茶。うまみが強く、濃厚な味と香りが特徴。
6. 玉緑茶:釜炒り茶を「蒸し製」に変えて作られたもの。別名「グリ茶」とも呼ばれます。
7. 玉露:高級緑茶。日光を遮断して栽培された茶葉は、濃厚な甘さや旨味のあるとろりとした味が特徴です
8. かぶせ茶:新芽が出た後に1週間ほど、よしず棚や藁といった覆いをお茶の木に直接被覆をして作られたお茶。濃厚な甘みと爽やかな香りが特徴
9. ほうじ茶:煎茶や番茶を180度前後で焙煎したお茶。香ばしい香りが特徴。
10. 番茶:春一番茶を摘んだ後の茶葉で作られるお茶。
11. 碾茶・抹茶:露の葉だけを蒸し、揉まずに乾かして石臼で挽いて粉末状にしたお茶。主に茶道に使われます。
12. 玄米茶:煎茶と高圧で炒った玄米を混ぜたお茶。香ばしい香りが特徴で、関西以西で好んで飲まれています。
13. 茎茶:芽を摘み取った後の茎を焙煎して作られるお茶。”でもの”と言い、価格以上の味があり、くき独特の香りも楽しめます。
ポイント②産地をチェック
もっとも有名なのは静岡ですが、そのほかにも鹿児島や埼玉、京都など日本全国には茶葉の産地があり、生産しているお茶の種類や味などの傾向は異なります。
また合組などの用語も知っておくと便利です。お茶は商品名に製造をした都道府県名、市町村名を付けることが多いのですが、その場合はその地の荒茶を100%使わなければならないというルールがあります。
もし、当該産地の荒茶の使用量が100%未満の場合は、○○ブレンドと表示しなければならないことに加えて、使用割合を50%などのように表示しなければなりません。
そのほかにも、荒茶の産地以外で仕上げの加工をした場合は仕上げ地を記載すること、や、原産地が2か所以上ある場合は、原材料に占める割合が多い順に記載するなどの厳格なルールがあります。
ポイント③品評会出品茶かどうか
最大規模のものは、毎年11月に開催される全国茶品評会ですが、そのほかにも日本各地の茶の産地に品評会があり、そこに出品されたものは「○○茶品評価委出品茶」とパッケージに印刷されていることもあります。
お茶の品評会は、茶葉の品質を審査し、優劣をつける競技会です。江戸時代に始まったとされていて、非常に格式が高く、茶生産者にとって重要なイベントの一つとなっています。
お茶の品評会では、外観、香り、味、水色の4項目を審査します。一等、二等、三等などの賞があり、全国茶品評会では最高賞である農林水産大臣賞が授与されます。お茶の品評会は、入賞しなくとも、出品すること自体がある程度質が高いことの表れとされています。
ポイント④収穫時期はいつ?
収穫時期によっても味は変わります。
収穫は春から夏にかけて行われますが、その年の最初に収穫されたものは一番茶(新茶)といい、八十八夜摘みなどと記されることも。新鮮な香りと渋み、うまみをもっています。以降に摘まれたものは二番茶、三番茶と呼ばれています。
一般的には一番茶が最もうまみがあり栄養成分も豊富とされていますが、摘む時期が遅くなるほどにポリフェノール、つまりカテキンの含有量が増えており、強い抗酸化作用があるといわれています。また、カフェイン含有量については新茶に比べて少ないのも特徴です。
このように、収穫時期によっても味や栄養成分にそれぞれ違いがあります。
ポイント⑤品種をチェック
生産されている日本茶の7割以上は「やぶきた」という品種ですが、それ以外に「ゆたかみどり」や「かなやみどり」など様々な品種があります。香りや苦み、渋みや甘みなどにそれぞれ個性があります。
やぶきたは全国各地で生産されている品種ですが、その品質の高さで知られており、寒さにも強く根付きやすいことから最大の収穫量となっています。ゆたかみどりは宮崎県や鹿児島県を中心に育てられている品種ですが、病気に強く濃厚な水色と味が特徴です。一方かなやみどりは収穫時期が遅く、寒冷地向きの品種です。静岡や鹿児島県の一部で栽培されていますが、みるくのような甘い香りが特徴です。
同じチャノキであっても、種類も違えばそれぞれに特徴があります。
まとめ
いかがでしたか。スーパーで売られている中身が確認できない茶葉にとって、パッケージに書かれた情報は言わば履歴書のようなもの。
ついつい表側のデザインばかりが目を惹き、個人の好みや直感で選んでしまいがちですが、きちんと裏面を確認してパッケージの情報を理解できるようになれば、お茶選びの楽しみが広がります。
次回、スーパーで茶葉を買う機会があった際は、ぜひラベルを観察してみてくださいね。