高い海苔は何が違うの?海苔の価格に差がある秘密を徹底解説
はじめに
海苔といってもその金額帯はまさにピンからキリまで。スーパーなどで販売されている比較的リーズナブルな海苔と当社のような専門店で販売されている海苔には、価格差があります。
このように安い海苔と高い海苔には、一体、どのような違いがあるのでしょうか?
価格に差がある理由
1. 産地
海苔の産地は、味や香りに大きな影響を与えます。
海苔の産地として有名なのは、有明海沿岸、瀬戸内海、伊勢湾、三河湾などですが、一般的に、国産の海苔で最も高価といわれているのは有明海産の海苔です。ここ数年、有明において不作が続いていることからも、価格が高く設定されています。
また、有明海には筑後川をはじめとした一級河川が流れ込み、山の栄養分を河川が海に運ぶことによって栄養豊富な海になっています。そこで育つ有明海苔は甘みが強く、香りも良く、歯切れが良いうえに非常に柔らかい、口の中で溶けるような食感とされています。
一方、瀬戸内海産の海苔は、色が濃く、味が濃厚です。有明産より厚みがあり、しっかりとした食感を味わうことができます。
福岡など、ある程度一定の品質を大量に用意できる産地のものはコンビニのおにぎりなどに使用されることが多いため、一般のスーパーなどに出回る量が少なく、普段私たちが見かけることはありません。
スーパーでよく見かける比較的安価な海苔は、国産の海苔ではなく、中国や韓国などの輸入物であることが多いです。輸入物の海苔は、産地が不明瞭なものも多く、品質にばらつきがある場合があります。
2. 品質・等級
各産地で出荷された海苔は、プロの検査員が「色」「艶」「欠けや穴の有無」を基準に細かく等級を分けています。
格付け検査は、規格より重い、軽い、色が黒い、浅い、小穴が空いているもの、艶があるもの、艶が劣るもの、青のりが混ざっているもの、破れや欠けているものなどなど、様々な等級に分けられます。
高い海苔は当然等級が高いことが多く、一方で安い海苔は、等級が低い海苔であることが多いです。等級が低い海苔は、厚みが薄く、穴や破れが多い場合があります。また、色も黒っぽく、香りも弱い傾向があります。
3. 時期
海苔には、1番摘みの海苔からおおよそ10番摘み近くの海苔まであり、摘み回数を重ねるごとに海苔はしっかりして硬くなり、色や風味も少しずつ薄くなってきます。
初摘み海苔は1年間に出回る海苔の5%に満たない希少な海苔です。そのため、初摘み海苔は比較的高く、その他の時期に収穫された海苔は安い傾向があります。
一般的には海苔の収穫時期である11月から2月頃までの間で一番最初に摘まれた海苔を「初海苔」といいます。初海苔は全国で一年間に販売される海苔の1%にも満たない非常に希少な海苔です。
味に関しては漁場によって異なりますが、一番最初に収穫した初海苔は、最も栄養豊富で味はトップレベル。サクッと歯切れがよいことに加えて、海苔そのものの味わいが深く、とろっと口どけが良いことで知られています。
4. 味
海苔の味には、甘味、旨味、塩味の3つの要素があります。
高い海苔ほどうまみ成分が豊富で、甘みを感じる傾向があります。加えて塩味は控えめです。一方で安い海苔は、甘味や旨味が弱く、塩味が強い傾向があります。
5. 見た目
安い海苔は、厚さが薄く、穴や破れが多い場合があります。また、色が青くて光沢がありません。断面はギザギザしています。
一方高い海苔は、厚みが厚く、穴や破れが少ないです。色も黒く、光沢があります。
まとめ
いかがでしたか。安い海苔と高い海苔には、産地、品質、味、見た目など、さまざまな違いがありますが、やはり一番影響を与えるのは等級と時期といえます。
リーズナブルな海苔は年間を通じて手軽に購入できますが、味や香りや栄養などが劣る場合があります。一方、高価な海苔は、味や香り、栄養などが優れており、やはり口の中でほぐれる味わいや余韻を残す香など、あまりにも違いがあります。
なかなか手が届きにくい高級海苔ですが、本物志向の方にも満足して戴ける逸品で、ギフトとしてもピッタリです。お値段は少し上がりますが、お祝いごとにはこちらの方が良いかもしれません。
海苔を選ぶ際は、ご自身の予算や用途に合わせて、産地や品質を意識して選んでみてください。