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ほうじ茶は体に悪い?気になる噂の真相を徹底解説!健康効果や注意点も紹介
はじめに
「ほうじ茶って体に悪いって聞いたんだけど…本当?」
最近、そんな噂を耳にすることはありませんか?
ほうじ茶といえば、香ばしい香りとまろやかな味わいが魅力の、日本人にとって馴染み深いお茶ですよね。
カフェインも少なく、子どもから大人まで楽しめる飲み物として、日常的に飲んでいる方も多いのではないでしょうか。
しかし、インターネットやSNS上では「ほうじ茶は体に悪い」「ほうじ茶の飲みすぎは危険」といった情報も目にします。一体何が本当なのでしょうか?
この記事では、ほうじ茶に関する様々な噂を検証し、その真実に迫ります。
ほうじ茶の成分、健康効果、そして注意すべき点まで、科学的な根拠に基づいて詳しく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。
ズバリ、ほうじ茶は体に悪いのか?デメリットとは
結論から申しますと、ほうじ茶が特に体に悪いということはありません。
むしろ、その他の日本茶同様、身体によい成分が豊富に含まれています。
まず、ほうじ茶とは、煎茶や番茶、茎茶などの茶葉を強火できつね色になるまで炒ることで、香ばしさを引き出したお茶です。
茶色い色からは想像つきませんが、もともとは緑色の茶葉で、普通煎茶とは若干量が異なるものの、カテキンやカフェイン、ビタミンなどの成分も含まれています。
そのさっぱりとした味わいから、「ほうじ茶はカフェインが入っていない」という認識が広まり、幼稚園や小学校の給食などでもほうじ茶が多く出されていた時代があったようです。
しかし、これ自体は誤りで、ほうじ茶にも普通煎茶同様、カフェインは含まれています。
玉露や上級煎茶と比べると、はるかにカフェイン量は少ないのですが、その量は普通煎茶とほとんど変わりません。
そのため、ほうじ茶をカフェインレスだと思いこんで、体質的にカフェインが苦手な方や小さなお子様が多量に飲むことで、胃腸の不調が生じたり、寝つきが悪くなったりなど、体調に支障をきたした可能性はあると思います。
これが「ほうじ茶は体に悪い」という噂が広まった真相かもしれません。
そもそもなぜカフェインがないという認識が広まったのか?
これについてはあくまで推論となり、真偽のほどは定かではありませんが、苦みが少ない味わいに「カフェインレス」という印象を抱いてしまう方が多かったのかもしれません。
多くの方が誤解しているのですが、緑茶の苦み・渋みの正体は、カテキンです。カフェインではありません。
茶葉を焙煎することで、カテキンが水に溶けにくい性質へと変化するため、ほうじ茶は苦みが少ないさっぱりとした味わいをしています。
実際、ほうじ茶に含まれるカテキン含有量は、普通煎茶の3分の1程度です。
加えて、茶葉を焙煎することでカフェインの一部が気化する点も挙げられるでしょう。
事実として、ほうじ茶の茶葉に含まれるカフェイン量は、普通煎茶よりも10~15%ほど少なくなります。
そのため、「ほうじ茶はカフェインが少なめ」という印象をお持ちの方も多いかもしれません。それ自体は正しいのです。
しかし、ほうじ茶は、その香ばしい香りを最大限に引き出すために、沸きたての熱湯で淹れるのが一般的です。
一方の普通煎茶は、75℃程度のお湯で淹れることが多いです。
カフェインは高温のお湯ほど溶け出しやすい性質があるため、茶葉に含まれるカフェイン量自体は少ないものの、熱湯で淹れることで、結果として普通煎茶と同程度のカフェインが抽出されてしまうのです。
ほうじ茶の健康効果、メリット
そんな「体に悪い」という噂を持つほうじ茶ですが、リラックス効果をはじめ、血流改善や睡眠の質向上など、様々な健康効果をもたらす可能性を秘めています。
その鍵を握るのが、焙煎によって生み出される「ピラジン」という成分です。
ピラジンは、自律神経のバランスを整え、副交感神経を優位にすることで、心身をリラックス状態へと導く作用があります。
また、ピラジンは脳内のGABA(ガンマアミノ酪酸)という神経伝達物質の分泌を促進し、ストレスを緩和する効果も期待されています。
さらに、血管拡張作用によって血流を促進し、冷え性や疲労の改善にも貢献します。
就寝前にほうじ茶を飲むことで、ピラジンの働きによりリラックス効果が高まり、スムーズな入眠と質の高い睡眠を得られると考えられています。
ほうじ茶に含まれているもうひとつの注目物質はメラノイジンです。
茶葉を焙煎する過程で生まれるメラノイジンは、抗酸化作用が非常に強く、体内に悪影響を及ぼす活性酸素を除去することが分かっています。
老化や生活習慣病の原因となる動脈硬化を予防するほか、食物繊維に似た働きをし、コレステロール値を下げ、血糖値の上昇を緩やかにする効果も期待できます。
さらに、腸内環境を整えることで便秘の予防にも役立つと言われています。
このように、ほうじ茶は非常に健康効果が高く、身体によいお茶なのです。
ほうじ茶は貧血気味の方の味方
先にも述べましたが、ほうじ茶に含まれるカフェイン量は普通煎茶とそれほど変わらないのですが、その一方で、カテキン含有量は普通煎茶の約1/3と少ない特徴があります。
そのため、貧血気味の方や胃腸の不調を抱えている方など、カテキンを多く摂取することに不安を感じる方々にこそ、ほうじ茶をおすすめします。
ほうじ茶は、茶葉を焙煎することで、カテキンがお湯に溶け出しにくくなっています。
カテキンが少ない分、鉄分の吸収を邪魔しにくいので、貧血気味の方でも、安心して食事と一緒にほうじ茶を味わうことができるでしょう。
ほうじ茶と上手につきあう:カフェイン量を調整するコツ
それでもやはりカフェインが気になるという方もいらっしゃるでしょう。
その場合もあきらめる必要はありません。焙煎度合いが高い深煎りほうじ茶を選べばカフェイン量をさらに抑えられます。
また、少しぬるめのお湯 (70℃程度) で短時間 (30秒程度) 抽出すれば、カフェインの抽出量を抑えつつ、ほうじ茶の旨味を楽しむことができます。
ちなみに、カフェインの摂取量目安は、1日400mgまでとされています。
ほうじ茶に含まれるカフェイン量は100mlあたり20mg。一般的な湯呑で20杯分に相当します。適量を守った楽しみ方をしていれば上限に達することはまずないので、心配はいりません。
さいごに
いかがでしたか。このように、ほうじ茶は適量を守って正しく飲めば、体に悪いどころか、健康に良い効果をもたらしてくれる飲み物です。
もちろん、カフェインやカテキンなどの成分が含まれているため、過剰摂取は避けるべきですが、適量を守れば、リラックス効果、血行促進効果、整腸作用など、様々な健康効果を期待できます。
大切なのは、ご自身の体質や体調に合わせて、飲む量や淹れ方を調整することです。
ぜひ、優しい味わいのほうじ茶で、心穏やかなひとときをお過ごしください。