緊張やあがり症に悩む人必見!リラックス効果をもたらす「テアニン」とは
はじめに
現代社会は、仕事や人間関係など、ストレスを抱えやすい環境です。緊張やプレッシャーを感じることが多く、心の平穏を求めている人も多いのではないでしょうか。
そんな時、気持ちを落ち着けて優しく包み込んでくれるのが、お茶です。
中でも、玉露は、リラックス効果が高く、緊張やあがり症に悩む人におすすめの飲み物です。
お茶に含まれる「テアニン」とは
近年、お茶に含まれる成分に関する研究が進み、その効果が注目されています。
特に、茶葉に2~3%程度含まれるアミノ酸の一種である「テアニン」には、リラックス効果やストレス軽減効果があることが科学的に証明されつつあります。
お茶には興奮作用のあるカフェインが含まれているにも関わらず、飲むと心がほっと落ち着くのは、このテアニンによる効果が大きいと考えられています。
テアニンには、脳のα波を増やし、リラックス状態を促す働きがあることがわかっています。
α波は、リラックスしている状態や眠りにつく直前の脳波で、心身のリラックス状態に深く関わっています。
またテアニンには、ストレスホルモンの分泌を抑制し、血圧を下げる効果もあることが報告されています。
緊張や不安を感じている時、私たちの体は交感神経が優位になり、心拍数が増え、血圧が上昇します。
しかし、テアニンを摂取することで、交感神経の働きを抑え、副交感神経を優位にすることができるのです。
その結果、心身がリラックスし、過度な緊張や不安な気持ちが緩和されるとされています。
テアニンがもたらすリラックス効果の実験
様々な研究で、テアニンを摂取すると、脳のα波が増加し、リラックス効果が得られることが報告されています。
例えば、ある研究では、不安を感じている人に、通常の水と、テアニンを含む水をそれぞれ飲んでもらう実験が行われました。
その結果、普通の水では何も変化が起こらないにもかかわらず、テアニン入りの水を摂取したケースでは、摂取後40分以降に脳波にα波が増加し、リラックス状態になったという結果が出ています。
また、指先が温かくなるなど、血行が改善されたという報告もされています。
さらに、テアニンは、脳内の神経伝達物質のバランスを整え、ストレスを軽減する効果も期待できます。
マウスの実験では、テアニンを摂取したマウスの脳では、ストレスによって増加する物質が減少することが確認されました。
人間を対象とした実験でも、テアニンを摂取することで同様の結果が見られ、特にストレスを感じやすい人ほど、その効果が顕著に現れることが示されています。
テアニン含有量トップの玉露
では、なぜ数ある日本茶の中でも「玉露(ぎょくろ)」が特に、緊張の緩和やあがり症の改善に効果的なのか。その理由としてはテアニン含有量の高さが挙げられます。
一番茶の新鮮な新芽で作られる玉露は、他の緑茶に比べて、このリラックス効果をもたらすテアニンを豊富に含んでいます。
お茶の葉は成長するにつれて、旨味成分であるテアニンが、次第に渋み成分へと変化していきます。
しかし、摘み立ての新芽で作られる玉露には、この変化がまだ起こっていないため、テアニンがたっぷりと残っているのです。
加えて、玉露のその独特な栽培方法も関係しています。
玉露は、3週間程度日光を遮断する『覆い栽培』によって育てられます。これにより、茶葉の成分バランスが劇的に変化します。
お茶の葉は、日光を浴びると光合成を行い、その過程で渋み成分のカテキンが増えていきます。一方で、日光を遮って育てることで、カテキンが増えるのを抑え、代わりに旨み成分のテアニンの含有比率が増えます。
このため、玉露は他の緑茶と比べて、格段に高いテアニン含有量を誇り、まろやかで甘みのある独特の味わいが特徴です。
プレゼンや試験前に!玉露でリラックス&集中
その一方で、玉露にはここまで説明してきたテアニンとは対照的な働きをするカフェインも豊富に含まれています。
カフェインには、中枢神経を刺激し、眠気を覚まさせたり、集中力を高めたりする効果があります。
つまり、玉露を飲むことで、テアニンのリラックス効果とカフェインの覚醒効果が同時に得られるのです。
このバランスの取れた作用が、緊張を緩和しながらも集中力を高めたいという、現代人が抱えるニーズにぴったりと合致していると言えるでしょう。
大切なプレゼンテーション前や試験前など、集中力を高めて高いパフォーマンスを発揮したいけれど、同時にリラックスもしたいというような場面で、玉露を飲むことは非常に効果的です。
玉露の持つ、これらの相乗効果が、あなたのパフォーマンスを最大限に引き出してくれるでしょう。
効果的な玉露の飲み方
玉露の持つリラックス効果を最大限に引き出すためには、飲み方に工夫が必要です。
1. 40分前を目安に飲む
研究結果では、テアニンの効果が現れるまでには約40分かかることがわかっています。そのため、緊張する場面の40分前を目安に飲むと、効果的にリラックスできるでしょう。
2. 低温で淹れる
玉露は、高温のお湯で淹れるとカテキンなどの苦味成分が強く出てしまい、テアニン効果が損なわれる可能性があります。50~60℃程度の低温のお湯で2分から2分半、じっくりと抽出することで、テアニンを効率的に摂取できます。
3. 一度にたくさん飲まない
テアニンは摂りすぎても効果が高まるわけではありません。適量を心がけましょう。
加えて、玉露にはカフェインが含まれているため、飲み過ぎると頻繁にトイレに行きたくなる可能性があります。特に緊張する場面では、事前にトイレを済ませておくことをおすすめします。
4. 他のリラックス法と組み合わせる
深呼吸や瞑想など、他のリラックス法と組み合わせることで、より効果的に緊張を解消できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。緊張やあがり症に悩む人は、ぜひ一度、玉露を試してみてはいかがでしょうか。
そのまろやかな味わいとリラックス効果は、きっとあなたを穏やかな気持ちにしてくれるはずです。