お茶の「出物」とは?~茎茶や粉茶の魅力~
はじめに
煎茶や玉露といった高級茶を作る過程で、茶葉の選別によって生じる「出物」と呼ばれる副産物があります。
「粉」「ウキ」「木茎(もっけい)」といったものがこれにあたりますが、これらは決して捨てられるものではなく、大事なお茶の一部です。
お茶の新たな魅力を引き出す原料として活用されています。
茎茶と粉茶:それぞれの魅力
茎茶は、煎茶や玉露の茎を集めたものです。棒茶とも呼ばれ、白っぽい外観とさっぱりとした味が特徴です。特に、玉露の茎を集めたものは「雁ヶ音」と呼ばれ、上品な香りが楽しめます。
茎茶は、テアニンというアミノ酸を豊富に含み、うまみが強いのが特徴です。
粉茶は、お茶を加工する際に葉が細かく砕けて粉状になったものです。若い芽や芯が混ざっているので、良いものに当たると思いのほか美味しい場合があります。
粉茶は、手軽に飲めることから、ティーバッグや給茶機用として利用されるほか、寿司屋で食事の最後に提供される「あがり」としても親しまれています。
出物の価値と可能性
出物は、煎茶や玉露といった高級茶に比べると安価ですが、決して品質が劣るわけではありません。
むしろ、チャに含まれるアミノ酸の約50%を占めるテアニンは、葉よりも茎に多いのです。
うまみだけを考えるとテアニンの多い茎が美味しく、コストパフォーマンスが高いと思います。独特の風味や栄養価を持つ、魅力的なお茶と言えるでしょう。
まとめ
お茶の「出物」は、煎茶や玉露を作る過程で生じる副産物ですが、その味わいや栄養価は決して低くありません。
茎茶や粉茶など、様々な種類があり、それぞれの魅力を持っています。
出物を有効活用することで、より多くの人がお茶の楽しみ方を広げることができるでしょう。