日本茶の今を知る!消費量の変化と地域差とは
はじめに
近年、日本国内のお茶の消費量は、ピーク時と比較して減少傾向にあります。
かつては国民一人当たり年間1000g近くのお茶を消費していたのが、現在は650g程度にまで減少しました。
特に、新型コロナウイルスの流行を背景とした2020年には、600gを大きく下回る水準まで落ち込んでいます。
消費量減少の背景
この減少の背景には、食生活の洋風化や嗜好飲料の多様化といった社会的な変化に加え、世帯構成の変化も影響していると考えられます。
ライフスタイルの変化や一人暮らし世帯の増加により、かつては家族団らんの象徴だった「家族が揃ってお茶を飲む」ということ自体が減ってきているのかもしれません。
しかしながら、ペットボトル飲料をはじめとする「緑茶飲料」の消費量は増加傾向にあり、お茶全体で見ると、リーフ茶の減少を緑茶飲料の増加が補うという状況になっています。
お茶の消費量の地域差と年代差
地域別に見ると、お茶の消費量は東海、関東、九州、近畿の順に多く、特に静岡市など、お茶の産地では消費量が多い傾向が見られます。
年齢層別では、高齢者層の消費量が若年層に比べて8倍も高いという特徴があります。
実際、若い方では飲んだとしてもコンビニエンスストアで購入する緑茶飲料のみ、自宅でお茶を淹れるという方はかなり少ないのではないでしょうか。
このようなお茶の消費量の変動は、私たちの生活様式や食文化の変化を反映していると言えるでしょう。
時代は移り行くもの。ある程度は仕方ないのかもしれませんが、300年以上にもわたり、煎茶の販売に携わってきた当社としては、下降トレンドを続ける日本の緑茶市場の復興を目指していきたいと考えています。
自宅でお茶を淹れてほっと一息つく、家族が集まりお茶を飲みながらその日の出来事を語り合う。
そんな昔ながらの日本の風景をこの令和の時代においても再現したいのです。