お茶をたくさん飲むと貧血になる?噂の真相を解説
はじめに
「緑茶をたくさん飲むと貧血になる」という話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
緑茶に含まれるカテキンが鉄分の吸収を妨げるから、という理由で、そうした誤解が生じているのかもしれません。
カテキンが鉄分の吸収を阻害する?
確かに、緑茶に含まれるカテキン類は、鉄と結合しやすい性質を持っています。そのため、理論上は鉄分の吸収を妨げる可能性も考えられます。
しかし、実際のところはどうなのでしょうか?
結論から言うと、緑茶をたくさん飲んだからといって、必ずしも貧血になるわけではありません。
ただし、いくつかの条件が重なることで、貧血のリスクが高まる可能性はあります。
緑茶と貧血の関係について、もう少し詳しく見ていきましょう。
緑茶と貧血の本当の関係
まず、私たちの体にとって鉄は非常に重要なミネラルです。
鉄は、赤血球中のヘモグロビンという成分の主成分であり、体内の酸素運搬を担っています。鉄が不足すると、貧血になり、倦怠感や息切れなどの症状が現れることがあります。
緑茶に含まれるタンニン(カテキンとほぼ同義)は、鉄と結合して不溶性の化合物を作ることで、腸からの鉄の吸収を妨げることがあります。
そのため、食事中に濃い緑茶を飲むと、飲まないときに比べて鉄分の吸収率が低下する、という可能性は否定できません。
しかし、鉄の吸収には、他にも様々な要因が関わっています。
例えば、食事と一緒に摂るビタミンCは、鉄の吸収を促進する働きがあります。また、肉類に含まれるヘム鉄は、植物性の非ヘム鉄に比べて吸収率が高いことが知られています。
つまり、緑茶を飲んでも、バランスの取れた食事をしていれば、鉄分が不足することはあまり考えられません。
ただし、極端に偏った食生活を送っていたり、生理や妊娠などで鉄の需要が高まっている場合は、注意が必要です。
緑茶と貧血、正しい付き合い方
緑茶は、健康に良い飲み物で、めったなことでは貧血の心配はありませんが、飲み過ぎや飲み方によっては、鉄分の吸収を妨げる可能性があります。
貧血気味の方や鉄錠を飲んでいる方は、医師に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。