穏やかな渋みがクセになる!まろやかな味わいの深蒸し煎茶
はじめに
煎茶の仲間に、「深蒸し煎茶」があります。
その名の通り、普通煎茶よりも2-3倍ほど長く蒸して作られるお茶です。それよりも長く蒸したお茶は特蒸し茶と呼ばれています。
深蒸し煎茶の誕生
深蒸し煎茶は、静岡県の中部地方で誕生しました。
この地域のお茶は葉が厚く、渋みが強いという特徴があり、消費者にあまり好まれなかったそうです。そこで、茶農家の方々が試行錯誤を重ね、蒸し時間を長くすることで、この渋みを抑え、まろやかな味わいの深蒸し煎茶を作り出したのです。
その後、製法と機械設備の改善を積み重ね、質は大きく向上し、今に至ります。
深蒸し煎茶の特徴
深蒸し煎茶の特徴は、何と言ってもそのまろやかな口当たりです。通常の煎茶よりも長く蒸すことで、茶葉の旨味がじっくりと引き出され、甘みが増します。
一方で、爽やかな香りは控えめになり、穏やかな風味に仕上がります。また、茶葉が細かく粉状になりやすいため、淹れたお茶の色は濃い緑色になり、まるで抹茶のような見た目が特徴です。
深蒸し煎茶の広がり:日本を代表する緑茶へ
深蒸し煎茶が生まれたのは昭和30年代と比較的最近ですが、そのおいしさが口コミで広がり、今では静岡県だけでなく、鹿児島県や三重県など、全国各地で生産されており、日本の緑茶を代表する存在となっています。
特に静岡県では、生産量の7割以上が深蒸し煎茶というほど、人気の高いお茶です。