海苔とお米の合理的な関係
海苔が持つ糖質分解促進効果
お米の主成分は炭水化物、つまり糖質ですが、海苔に含まれるビタミンB1は炭水化物(糖質)を分解し、エネルギーに変えるための重要な役割を担っています。
ビタミンB1が不足すると糖質がエネルギーに変換されにくくなります。その結果、食事をしていても疲労感や倦怠感が抜けなかったり、集中力の低下などの症状が現れることがあります。
お米だけをモリモリ食べるよりも、海苔とお米をセットで食べるほうが、摂取してからスピーディーに炭水化物の分解が進み、エネルギー(脳や体を動かす力の源)になるのです。食後早い段階で、疲れやだるさが取れたり、なんだか元気が出てきた、と実感することができます。
そう考えると運動会のお弁当では、より早く疲労回復効果が現れるよう、海苔で巻いたおにぎりを食べることは非常に理にかなっています。
血糖値の上昇を抑える効果も
海苔には、血糖値の上昇を抑える効果があることが研究で分かっています。その理由は、以下の2つの成分によるものです。
1. 食物繊維
海苔には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が豊富に含まれています。
水溶性食物繊維: 水に溶けて粘着性のあるゲル状の物質となり、糖質の吸収速度を遅らせ、食後の血糖値の上昇を緩やかにします。
不溶性食物繊維: 水に溶けずに腸内をゆっくりと移動し、腸内環境を整え、善玉菌を増やすことで、糖質の吸収を抑制する効果があります。
2. イソフロリドシド
イソフロリドシドは、海苔に含まれる特有の甘味成分です。砂糖と同じように甘みを感じますが、体内に吸収されず、血糖値を上げません。
さらに、イソフロリドシドは、消化管葉面の受容体と結合し、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌を促進する効果があることが研究で分かっています。
このように、海苔に含まれる食物繊維と甘味成分「イソフロリドシド」には、血糖値の上昇をゆるやかにする作用があります。炭水化物(糖質)の多いごはんを食べるときに、海苔を一緒に食べると血糖値の急上昇を防ぐことができるので、肥満をはじめとする様々な生活習慣病の予防にもつながるのです。
さいごに
いかがでしたか。
なんとなくおにぎりと海苔、や、お米と海苔、の組み合わせは、昔から当たり前のように見られていた慣れ親しんだ光景ですが、実は体験から創り出された先人たちの知恵が詰まった生活習慣だったのですね。
みなさんも、ぜひ毎日の健康習慣として日常のお食事に海苔を取り入れてみてはいかがでしょうか。