記事: おにぎりの海苔、パリパリとしなしな、どっち派?
おにぎりの海苔、パリパリとしなしな、どっち派?
パリパリとしなしな、どっち派?
突然ですがみなさんは、おにぎりの海苔はパリパリ派?それともしなしな派?どちらがお好みですか?
我が家は北陸出身ということで、おにぎりには海苔ではなくとろろ昆布がまぶしてあるという稀有な家庭でしたので、海苔が巻いてあるおにぎりデビュー(つまりコンビニおにぎりですね)自体が中学生くらい。
思春期の女子には、しなしな海苔よりもパリパリ海苔がなんとなくオシャレに見えたのでしょう。以降しばらくはパリパリ派でしたが、年齢を重ねるにつれてしなっとした海苔のほうが、好みになりました。(年を重ねると味覚が変わるって本当ですね)
以前もお伝えしたように、海苔は産地によって個性が異なり、それぞれ異なるおいしさがあります。
今回はパリパリ派としなしな派、それぞれにピッタリな海苔をご紹介します。
パリパリ派の方には瀬戸内産がおすすめ
パリパリ派の方には、歯切れがよく、磯の香りが強い瀬戸内産の海苔が向いているでしょう。
瀬戸内海では浮き流し養殖が基本となるため、有明産よりも厚みや弾力がある、しっかりとした食感を味わうことができます。一口噛んだ時のパリッとした海苔の食感とふんわりしたお米とのギャップを存分にお楽しみいただけると思います。
しなしな派の方は有明海産がおすすめ
しなしな派の方には、「溶けるような柔らかさ」を持つといわれる有明海産の海苔がおすすめです。
支柱式で作られる有明海苔は、瀬戸内産よりもはるかに柔らかくふんわりとした質感をしています。くちどけの良さが特徴で、のりとお米の一体感をより引き立たせてくれるでしょう。
海苔の旨みは水分を吸うと増える?
さて、ここで気になってきたので調べてみました。 「しなしな」になった海苔と、「パリッ」とした海苔で、食感はもちろんですが、口に含んだ際の味わいもずいぶんと違う気がします。それはなぜなのでしょうか。
これは、海苔が持つ三つの旨味成分に理由があります。海苔には、昆布にたくさん含まれているグルタミン酸やかつお節に多いイノシン酸、しいたけに多いグアニル酸、という三大旨みが詰まっているのですが、これらは揃いも揃って非常に水に溶けやすい性質を持っています。
しなしな海苔のほうがお米にうまみが溶けだしている
つまり、海苔とごはんが長時間合わさり、水分を吸収しているしなしな海苔のほうが、海苔に含まれている旨味成分がお米に溶け出しているということになります。
「パリパリ」にしろ「しなしな」にしろ、海苔に含まれるうま味成分の含有量自体は変わりませんが、水分に溶けだして舌に届きやすくなるため、「しなしな」は、より強い旨みを感じることができるのです。
まとめ
もちろん、どちらが良いというのではなく食は個人の好みの問題です。「しなしな海苔は主張が強すぎて苦手」という方もいらっしゃるでしょう。
巻きたての海苔のフレッシュな香りとパリッとした食感を楽しむのか、あるいは、ごはんと海苔が一体化したしっとり感を味わうのか、お好きなものをお好きなお召し上がり方で楽しんでみてください。