#02
映画「茶の味」
皆さんはどんな時にお茶が飲みたくなりますか?
例えば読書の時間。ふいに登場したお茶の描写に、思わずごくりと唾を飲んだり。くつくつと炊かれるあんこを見ていると、熱いお茶が欲しくなったり。国内外の文学やエッセイ、映画や漫画、アート、音楽……。想像を膨らませ、思わずお茶が飲みたくなるとっておきの物語をお届けします。
山間の小さな町に暮らす春野家の人々。彼らは、それぞれ悩みを抱えていた。
内気な高校生の長男・一は片思いの女の子が転校してしまい、自分のふがいなさを嘆いていた。妹の幸子は、時折ふと現われる巨大化した自分の幻影に困惑している。
専業主婦の母・美子はアニメーターの仕事に復帰しようと奮闘中で、祖父の轟木アキラが絵の師匠だ。催眠治療士の父・ノブオはそんな妻の仕事復帰を応援しながらも、少しだけ寂しさを感じている。
そんなある日、東京で音楽のミキサーをしている叔父(美子の弟)のアヤノが帰省する。
田舎町に暮らす春野家の日常を、ファンタジーを織り交ぜながらのほほんと綴る「茶の味」。朝ごはんの食卓で、のんびりまどろむ縁側で。春野家の人々はみな、よくお茶を飲んでいる。
季節は春から夏。春野家それぞれのモヤモヤは続くけれど、山々や田んぼの鮮やかな新緑がそれはそれは美しい。まさに茶の味を想起させ、ごくりと唾を飲むだけで茶葉の香りが鼻腔をくすぐるような気さえしてくるのだ。
今年の夏は、山で縁側で、冷たい緑茶をグビッと飲みたかったなぁと急に懐かしくなるのである。あるいは列車の車窓から山々の稜線を眺める度に、「山!山!山!」と、祖父アキラたちが歌って踊る、あの脱力ソングが脳内リフレインする。
あぁ、新緑の季節が待ち遠しい。
やがて物語は終息へ向かう。春野家は悲しい経験を乗り越えて、夕焼け空の下、家族で一緒にお茶をすすり、再び平和な時間を取り戻す。やはり家族団欒の傍には、お茶がある。
楽しい時、悲しい時、幸せな時、モヤモヤする時……。
春の昼下がり、夏の夕暮れ、秋の夜長に冬の朝。
その日、その時、その気分でお茶の味わいも変わるのだ。個性豊かな春野家の面々も、きっとそれぞれの茶の味があったのだろう。
さて、今日のあなたのお茶はどんな味がするだろう?
「茶の味」
日本の美しい里山の自然を背景に、どこかユーモラスな家族の日常風景を描く。CGやアニメを駆使した映像センス、独特なユーモアが散りばめられた異色のホームドラマ。監督:石井克人。2004年公開。
今月選んだお茶は…
玉露・合組・産地別煎茶 ティーバッグ10袋セット
山本山のブランド茶が色々楽しめるティーバッグの詰め合わせ。「玉露 山本山」「合組煎茶 天下一」「合組煎茶 上喜撰 」「合組煎茶 山本山」「ちらん煎茶」「やめ煎茶」「うじ煎茶」「かわね煎茶」「かけがわ煎茶」「さやま煎茶」が各1袋ずつ。毎日本格的な味を手軽に楽しめます。