#01
スタイリストchizuさん
美味しいお茶とお道具はセットです。お茶のある暮らしを送っている素敵な方々は、普段どんな道具でお茶を淹れているのでしょうか?気になるあの人の茶道具を拝見。第1回目は人気フードスタイリストのchizuさんにご登場いただきました。

chizuさんの朝は、2杯の煎茶から始まる。急須にお湯を注ぎ、グラス2杯分を淹れて、お茶うけの豆菓子と共に一服。これが何十年も続く朝の日課だという。煎茶、炒り番茶、ほうじ茶、玄米茶と季節や気分に応じて淹れるお茶は変わるそうだけれど、圧倒的一位は煎茶。
「朝の飲み物として、この黄緑色のお茶が一番。なにより色が綺麗でしょ。家で飲むお茶は温かいものと決まっていますね。土瓶でお湯を沸かして、湯気が出てきたらまずはお白湯を飲んで、お茶を入れながらお支度をして、お茶うけの甘納豆などをつまんで、ささっと家を出ちゃう。これはもう毎朝のルーティンと言っても過言ではないくらい」

フードスタイリストという職業がまだあまり知られていない頃から第一線で活躍し続けるchizuさんは、食卓や台所回りの道具と向き合い続けてうん10年。その道のパイオニアとして、美しく賢いスタイリングで常に見る者に新鮮な驚きと感動を見せてくれる。ゆえに普段ご本人がどんな道具を使っているのか、彼女のファンならずとも気になるところ。
chizuさんの道具選びには、100%一つのルールがあるという。
「落ち着くのが一番!そう思って選んでいるわけではないけれど、やっぱりいいよね、というものに落ち着く。あと、専用の道具というか、何何用として買うのが苦手みたい」

「このガラスのコップも、本来はお酒を飲むグラスなのかな? どこで買ったかは忘れてしまったけれど、なかなか飲み口が良いので最近のスタメンです。私はやっぱり色が見たいので、煎茶はガラスのコップでグリーンを愛でながら飲むのが好きですね。木の無垢の小皿には甘納豆をのせて蓋にしたり、コースターにしたり。結局日々使うものは落ち着く器に行きつくので、何かしらあるもので応用使いするのが得意みたい」

お母様の手作りという鎌倉彫のお盆。「玉川堂」と料理家・有元葉子さんとのコラボレーションによる美しい板金の急須が乗っているのは、フランス在住の友人がお土産にくれたというSchweppesと印字されたアンティークの小皿。桜皮の茶筒と漆塗りの匙は、気づいた頃には家にあったという“落ち着く”道具たち。
作家ものからプロダクトまで、国も年代も違うものたちが何の違和感もなく茶道具として成立している。その佇まいから、丁寧にものと向き合い、日々使い続けている彼女の穏やかな暮らしぶりが窺える。チャーミングな人柄がそのまま投影されているようなchizuさんの茶道具はどこか愛らしく、自由な発想と器を慈しむ温もりに彩られている。
今回淹れたお茶は…

合組煎茶 「山本山」
さっぱりとした味わいの煎茶。毎日飲んでも飽きない味わいで、食後のお茶としてもおすすめです。袋入のお茶を和紙の包み袋でお包みしておりますので、プチギフト、手土産、お返しなどにもお使いいただけます。