急須の網の種類と選び方|お茶を美味しく淹れるための基礎知識
はじめに
普段何気なく使っている急須ですが、急須の中を覗いてみると様々な形状の網があります。
急須の周囲にぐるっとステンレスの網を張った物や、急須から取り外して洗うことができるカップ状におく物、注ぎ口の部分を覆うように網がついているタイプなど様々ありますが、お茶の持つ本来の旨みを十分引き出し、一番おいしい最後の一滴のお茶まで楽しむためには、急須の網(茶こし網)は欠かせない存在です。
急須の網の役割
- 茶葉をしっかり浸す:お茶の旨みを最大限に引き出すために、茶葉全体がお湯に浸かることが大切です。
- 空気を出しやすくする:目詰まりを防ぎ、お茶がスムーズに流れ出るようにします。
- 茶葉の成分を均一に抽出:目詰まりすると、詰まった部分の茶葉から成分が濃く出てしまい、お茶の味にムラが生じることがあります。
急須の網の種類
網にも以下のように様々な種類があり、洗いやすいものや空気が抜けやすいものなど、それぞれ特徴があります。
1. 帯網
現在主流の網で、急須の内壁全体を覆っています。細かい茶葉でも目詰まりしにく、また、一箇所が詰まっても他の部分からお茶が出るので、美味しく淹れられます。
2. サークル網
伝統工芸品である万古焼によく見られる網で、丸い形状が特徴です。目詰まりしにくく、注ぎやすいのがメリットです。
3. カップ網
急須の上部に置いて使用するタイプ。シンプルな網で、洗いやすいのが特徴ですが、茶葉が広がりづらく、成分が十分に出ないことがあります。
4. 陶製茶こし
網の部分が本体と同じ陶製で作られています。陶器でできた網で、金属アレルギーの方にもおすすめで、細かい茶葉にも対応できます。きめ細かい網なのでこまめな手入れが必要です。
5. 底網
急須の底全体に網が貼られており、どの部分の茶葉も均一にお湯に浸かるため、様々な種類の茶葉に対応できます。ただし、少量のお茶を淹れる場合に、お湯が行き渡らずに成分が出ずらい事があります。
6. ポコ網
注ぎ口の部分が丸く出っ張った形状の網です。葉の大きなものなら、目詰まりしづらく、注ぎやすい急須です。番茶・ほうじ茶向きです。
7. ハンドカップ網
カップ網に取っ手の付いた使い勝手の良い網です。手を汚さずに茶殻を捨てることができます。
8. 平網
市販の急須の中ではこのタイプの網が多いです。注ぎ口に大きな網がかかっていてお茶の通りも良く、スタンダードな急須です。網が平らであるため、茶葉が絡まりにくく、目詰まりしにくいという特徴があります。
まとめ
現在の主流は帯網で、急須の内壁がぐるりと網で囲まれています。
この形により、一か所が目詰まりしても他の場所からはお茶が流れ出て、茶葉のわきからも空気が出やすいためお茶がすっと出ます。
目詰まりしない網の急須を選ぶことが美味しいお茶へとつながります。急須の網は、お茶の味を左右する重要なパーツです。
今まではあまり気にしたことがなかったかもしれませんが、ぜひ網を選び、美味しいお茶を淹れてみましょう。