美肌作りは内側から!年齢肌に効くお茶の選び方と飲み方
はじめに
お茶には肌を若々しく保つ効果があることをご存じでしょうか。
近年多くの研究で、お茶を飲むことによる美容効果が認められています。
お茶の中でも特に緑茶に含まれるカテキンには、強力な抗酸化作用があり、老化の原因となる活性酸素を抑制して肌の若々しさを保つ効果があることが分かっています。
また、お茶に含まれるビタミンCには、メラニンの生成を抑制し、すでにできてしまったシミやそばかす、日焼けによる色素沈着などを緩和する働きもあります。
美容成分豊富なお茶を日常的に取り入れることで、健康的な若々しい肌を保つ手助けをしてくれるかもしれません。今回は緑茶が持つ美容効果についてご紹介していきます。
緑茶に含まれるアンチエイジング効果を持つ成分
緑茶には主に以下の2つのアンチエイジング効果を持つ成分が含まれています。
1. カテキン
カテキンとは、緑茶に含まれる苦み成分であるポリフェノールの一種で、緑茶に豊富に含まれています。このカテキンには強力な抗酸化作用があり、活性酸素と呼ばれる身体に悪影響を与える物質から身体を守る働きがあります。
肌の老化の原因の大半は紫外線です。紫外線を浴びることで皮膚の中では活性酸素が生じ、遺伝子や細胞膜を酸化させることで、乾燥やシミ、シワなど皮膚の老化の原因となるのです。
カテキンにはこの活性酸素の働きを抑制する効果や体内のコラーゲンの分解を抑える効果があり、肌のハリや弾力を保ってくれるのです。
2, ビタミンC
お茶に含まれるビタミンCには、シミの元であるメラニン色素の生成を抑え、色素沈着を抑制する効果があります。そのほか、活性酸素による細胞の酸化を防いだり、コラーゲンの生成を促すことで、肌のハリや弾力を保つのに役立ちます。
緑茶に含まれるカテキン量(100gあたり)
急須で入れた緑茶1杯(100ml)あたりのカテキン含有量は70-80mg、その一方、ペットボトル飲料は30-40mgとされています。
私たちにとって、急須で入れるお茶よりもはるかに身近な存在であるペットボトル飲料の緑茶ですが、やはり茶葉で入れるお茶とは成分が異なることが分かります。
厚生労働省が発表している食事摂取基準では、カテキンの摂取目安量が設定されていないのですが、カテキンの健康効果を得るためには日常的に飲むことがおすすめです。
以下は、お茶の種類ごとのカテキン含有量です。
- 抹茶:200mg
- せん茶:85.7mg
- 烏龍茶:63.8mg
- 紅茶:27.8mg
- ほうじ茶:6.2mg
- 玄米茶:1.5mg
緑茶に含まれるビタミンC量(100gあたり)
急須で入れた緑茶1杯(100ml)あたりのビタミン含有量は6mg。一方、ペットボトル飲料に含まれているビタミンCは酸化防止のためにあとから注入された添加剤です。
茶葉から抽出されたビタミンCが加熱処理の段階で失われており、それを補うために追加されています。以下は、お茶の種類ごとのビタミンC含有量です。
- 抹茶:60mg
- 玉露:19mg
- せん茶:6mg
- 昆布茶:6mg
- 番茶:3mg
- 玄米茶:1mg
- 紅茶:0mg
- 烏龍茶:0mg
ビタミンCの摂取量目安として、成人は1日100mgをとることが推奨されていますが、玉露ならば1日5杯で必要量を満たすことができ、緑茶の場合は1日3杯飲むと1日に必要なビタミンCの約1/3を補うことができます。
ビタミンCは、一度にたくさん摂っても体内で使いきれなかった分はすぐに排出されてしまいます。煎茶からビタミンCを継続的に摂ることができるのは嬉しいですね。
科学的に証明されている緑茶のアンチエイジング効果緑茶のアンチエイジング効果に関する研究結果は複数報告されています。
ある研究では、緑茶を毎日摂取したグループは、摂取していないグループよりもシミやシワの数が少ないことが示されています。別の研究では、緑茶を摂取したグループは、摂取していないグループよりも肌の弾力が向上したことが示されています。
緑茶を通じて定期的にカテキンやビタミンCを摂取することで、内側からの美肌ケアが期待できます。お茶は美味しいだけでなく、美肌効果も兼ね備えた健康的な飲み物と言えます。
アンチエイジングに最適なお茶は?
緑茶には、煎茶、玉露、ほうじ茶、玄米茶など様々な種類がありますが、日常的な取り入れやすさを考えても最もおすすめなのは緑茶です。
緑茶には豊富なカテキンが含まれており、抗酸化作用が高く、老化の原因となる活性酸素を抑制する効果が期待できます。
緑茶の中でも柔らかい新芽を使った新茶のほうが、もともと栄養素が豊富なことに加えて、繊維質が柔らかく、成分も溶け出しやすいことが知られています。初摘み茶や一番茶など、品質の良いものを選ぶとより効果的です。
実は、カテキンやビタミンCに関して言えば、玉露や抹茶のほうが含有量は優れています。
まず、抹茶は、茶葉を丸ごと石臼で挽いて粉末状にしたものです。
煎茶やほうじ茶などの緑茶は、茶葉を抽出して飲むため、茶葉に含まれるカテキンの一部しか摂取できませんが、一方の抹茶は茶葉を丸ごと摂取するため、カテキンを効率的に摂取することができるのです。
また、玉露については、収穫前に約20日間ほど茶園を覆い、日光を遮断して栽培されます。日光はビタミンCを分解する作用があるため、日光を遮断した玉露には多くのビタミンCが含まれているのです。
このように、成分上は緑茶よりはるかにアンチエイジング効果があるように思える抹茶、玉露ですが、飲んだことがある方ならお判りでしょうが、緑茶と異なり毎日の習慣として取り入れるには少々手間がかかります。
そのため、日々の日課としては緑茶を、休日などゆっくり時間を取れる際には抹茶や玉露をというように、自分のスケジュールに合わせて摂り入れることががおすすめです。
大切なのは継続すること。ビタミンCは特に、体内に蓄積することができません。無理なく続けられることを重視して選びましょう。
効果的な飲み方
1. 飲む量
1日3〜4杯程度を目安に摂取しましょう。こまめな水分補給としてお茶を取り入れることで、体内の老廃物を排出し、肌のハリや潤いを保つことができます。
2. お湯の温度
飲み方にも工夫が必要です。緑茶はできるだけ80度以上の熱い湯温でじっくりと淹れるようにしましょう。カテキンは温度が高いほどより多く抽出されることが分かっています。
3. お茶を飲む時間帯
お茶を飲む時間帯は基本的にはいつでも構いません。朝食後や午後のティータイム、夕食後など、自分に合ったタイミングで楽しんでみてください。
ただ、お茶にはアンチエイジング以外にも様々な効果があります。
たとえば、朝熱いお茶を飲むことで、身体を目覚めさせる効果が期待できます。緑茶に含まれるカフェインは、眠気覚ましや集中力を高める効果があるためです。
また、食後にお茶を飲むことで、食後の消化を助ける効果が期待できます。消化酵素の活性を促進することで、食後のだるさや胃もたれを緩和し、消化をサポートします。
このように、基本的にはいつでも構いませんが、お茶を飲むタイミングによって得られるメリットは異なるため、ご自身にとって最適なタイミングを選べば、より快適に過ごすことができるでしょう。
これらのタイミングでお茶を活用することで、美容や健康への効果を最大限に活かしましょう。
「飲む」以外のアンチエイジング法
実は緑茶には飲む以外のアンチエイジング法があります。
女性の皆さんは、最近茶葉エキス配合の化粧水や乳液が多く販売されていることをご存じだと思います。これは茶葉に含まれるカテキンを注入したものです。
ご自宅で緑茶を飲んだ後の出がらし茶葉を、直接肌に使用する方法も効果的です。
例えば、冷たく冷やした緑茶をコットンに含ませて顔にパッティングすると、リフレッシュ効果や肌の引き締め効果が期待できます。飲んだ後の茶葉も再利用。なんども地球にやさしい美容法です。
家庭で手軽に取り入れられるお茶を使ったアンチエイジング法は、日々の生活の中で簡単に取り組むことができます。健康的な美肌を目指すために、積極的にお茶を活用してみましょう。
注意点
ここまでみると、とっても魅力的で効果的に思える緑茶ですが、決して万能なアンチエイジング飲料ではありません。緑茶だけ飲めば若返る、なんてことではないので注意しましょう。併せて紫外線対策やバランスの良い食事と組み合わせることが重要です。
1. アレルギー反応の可能性
また、緑茶にはアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
特に、お茶に含まれるカフェインやタンニンなどの成分が原因となり、ぜんそくが現れた例もあります。
アレルギーを持っている方や過去にアレルギー反応が出たことがある方は、お茶を摂取する際は十分な注意が必要です。摂取量や種類を工夫するなど、自身の体質に合ったお茶を選ぶようにしましょう。
2. 妊娠中の摂取に関する注意
妊娠中のお茶の摂取には注意が必要です。
お茶に含まれるカフェインは胎児に影響を与える可能性があります。そのため、カフェインを含むお茶の摂取量を控えることが大切です。また、鉄分の吸収を妨げるタンニンも気になる要素です。妊婦さんは栄養バランスを考え、飲用量を注意するようにしましょう。
3. 過剰摂取のリスク
カフェインの過剰摂取には注意が必要です。
カフェインの基準値(成人は1日400mgまで)を考慮すると、1日2L以下にするのがよいでしょう。緑茶のカフェイン量は、100mlだと20mg、コップ1杯(200ml)だと40mgです。もちろんこの基準は健康に問題がない成人の場合です。
適量のカフェインは、様々な健康効果に溢れていますが、摂取しすぎはむしろ逆効果です。カフェインの過剰な摂取は胃腸に負担をかけるほか、不眠や動悸などの副作用を引き起こす可能性がありますので注意が必要です。特に、妊娠中や授乳中の女性は、カフェインの摂取量に注意する必要があります。
まとめ
緑茶には美容やアンチエイジングに効果がある成分であるカテキンやポリフェノールが豊富に溶け込んでおり、肌の若々しさを保つために役立ちます。継続的に飲むことで若々しさの維持につながるといえるのではないでしょうか。
ただし、当然ですが、ただ緑茶を飲んでいるだけでは若返ることはできません。
紫外線対策やバランスの良い食事、適度な運動などと組み合わせることで、より効果的にアンチエイジングの効果を感じることができます。
美容と健康を意識する方にとって、緑茶は非常に簡単に日常生活に取り入れることができる習慣です。手間もお金もそこまでかからず、今日からすぐにでも試してみることができます。
日々の暮らしの中で緑茶を楽しみながら、美肌に磨きをかけましょう。