「のり」という名前の由来!意外な海苔の名前の秘密
海苔の語源は、諸説ありますが、最も有力とされるのは、「ぬら」という古語が転訛した説です。
1. ヌルヌルする海藻を意味する「ぬら」
海苔は、海から取り出したばかりの時は、ヌルヌルとしています。そこで、古来より「ぬら」という言葉で呼ばれていたと考えられています。
ちなみにかつては、海苔は水にぬらすとぴたっとはりつくので、「糊」と同じ意味で「ノリ」とよばれるようになったという説が有力でしたが、現在はこの説は下火になっています。
2. 平安時代に「紫菜」から「海苔」へ
平安時代になると、海苔は漢語の「紫菜」と書いて”のり”と呼ばれるようになりました。しかし、江戸時代になると、再び「海苔」と表記されるようになり、現在に至ります。
3. 糊(のり)との関係
海苔と糊(のり)は、同じ「のり」という音が使われていますが、語源は別と考えられています。海苔は「ぬら」が転訛したものである一方、糊は「ねり」という古語が転訛したものです。
まとめ
ちなみに海苔の語源に関する興味深いエピソードとして、江戸時代に海苔を密輸していた海賊が、捕まった際に「海苔」という言葉を知らなかったため、「ヌレヌレ」と呼んでいたという話があります。
今から400年程前のことではありますが、ねっとりと糸を引き、にゅるっとした触感の物質を「ぬるぬる」「ぬれぬれ」と表現するのは、今もなんだか変わらない気がして面白いですね。
このように海苔の語源は、まだ完全には解明されていませんが、「ぬら」という古語が転訛した説が有力です。海苔の歴史や文化を知る上で、語源を探ることは興味深いものです。