【プロが教える】ワンランクアップする自宅で美味しいのり弁の作り方|レシピ
ほかほかごはんにそのままのせたり、おにぎりにしたり。「海苔」と「ごはん」は最高の組み合わせです。
温かいごはんとの相性も良いのですが、冷めた時により美味しくなるのは「のり弁当」。
白いごはんにしっとりなじむ、風味豊かな海苔の味わい。毎日のお弁当に、山登りなど行楽のお楽しみに。のり弁の出番が増えればいいなと思っています。
そこでご提案。
いつもののり弁をワンランクアップさせるコツをご紹介します。
美味しい「海苔重」を提供 山本山『ふじヱ茶房』にプロのコツを聞いてみました
山本山が運営する日本茶専門店『ふじヱ茶房』では、本格的な「海苔重」のご提供をしています。
焼海苔のグレード「にほんばし」「あさくさ」「やまもとやま」に応じ、3種類を用意する山本山の「海苔重」。
海苔の風味や味わいを存分に楽しんでいただくため、海苔とごはん以外の具材は別のお皿に盛り付けています。
3段重ねのうち、中段と下段は焼海苔をのせ、自家製醤油だれで味付けを。
最上段は、通常の海苔より香りが濃い「ばら干し海苔」をたっぷりのせています。
さらに、ばら干し海苔にはひとつまみの塩を仕上げにかけて。下の段とはまた異なる味の変化をつけています。
究極にシンプルだけれど、材料にも作り方にもこだわった「海苔重」。
でも、家庭で再現するには少し難しいですよね。
そこで『ふじヱ茶房』の料理長に聞いた「美味しいのり弁の作り方」を踏まえて、実際に作ってみたいと思います。
プロが教える 「美味しいのり弁」レシピ
材料
- お好きなお弁当箱
- 白いご飯…一膳分
- 山本山「やきのり」(下段用)…板海苔半分
- 「もみのり」(上段用)…ひとつかみ3g程度
- めんつゆ…小さじ2
- 希釈用の水…小さじ1(お好みの濃さで)
- 塩…ひとつまみ(お好みで)
- かつおぶしや昆布…適量(お好みで)
今回は女性が食べる分としてちょうど良い、500mlの曲げわっぱを使います。男性や育ち盛りのお子さん用の場合は、680~750mlサイズ程度がおすすめです。
『ふじヱ茶房』のような3段は作るのが少し難しいため、一般的な2段構成で挑戦しましょう。
下段
海苔は下段に「やきのり」を使います。
今回のお弁当箱のサイズなら、板海苔半分で足ります。上下段とも「やきのり」にする場合は、板海苔1枚を用意しましょう。
上段
上段の「ばら干し海苔」は入手しにくいため、「焼のり」からもみのりを作り、代用します。もみのりの作り方は簡単!
もみのりの作り方
- ガスコンロを強火で点火し、海苔をガスコンロの火から20cm位の距離から少しずつ近づけて、20~30秒程度炙ります。
- 持ち替えながら、火に当たる部分を少しずつかえ、両面そして四隅も炙ります。
- こうして炙った後の海苔をビニール袋に入れて軽く揉むだけ。手も汚れず簡単に「もみのり」ができちゃいます。
もちろん、「やきのり」「もみのり」どちらかだけでも構いません。
上下段とも「もみのり」にする場合は、倍量をご用意ください。
タレはご自宅によくある市販のめんつゆを使用しましょう。
商品によって異なりますが、市販のめんつゆ2:水1程度で作っても美味しくできます。
板海苔をカットする
まずは、食べやすい大きさに板海苔をカットします。
「海苔弁は箸を入れて食べようとすると、海苔が全部はがれてしまう」というようなお悩みも、こうすることで解消できます。
海苔を切らずに使う場合は、おろし金でひと工夫。
海苔をギュッと押し当てると海苔の間に切れ目ができるので、同じように食べやすくなります。
お弁当箱にご飯を敷き詰める
まずはお茶碗半分のご飯を敷き詰めます。
海苔にめんつゆを浸し、ごはんにのせていく
先ほどカットした海苔を海苔鰹つゆにサッと浸し、ごはんの上にのせていきます。
お好みで、ご飯と海苔の間に鰹節や昆布をのせても良いですね。
ごはんの上に置いた海苔は、時間が経つと縮みます。
お弁当箱のきわにかぶせるように海苔を置いていくのがポイントです。
最初はお弁当のまわりを海苔で囲むように、最後は中央を埋めるように置く。
すると、出来上がりが格段に美しくなります。
下段が完成しました!
続いて上段を作っていきましょう。
ごはんを敷き詰め、「焼きもみのり」をのせる
残りのごはんを同じように敷き詰めたら、「焼もみのり」を隙間なく埋めていきましょう。
仕上げに、お好みで塩をパラパラと振ったら出来上がりです。
こちらが出来立ての「海苔弁」。
少し時間を置くと海苔がなじみ、ごはんにしっかりと味が染み込みます。
このまま食べても十分美味しいのですが、もしおかずを合わせるなら、どんな具材が良いのでしょうか。
定番や人気のおかずはやはり「鮭の塩焼き」や「ちくわの磯辺揚げ」、「ひじき煮」や「きんぴらごぼう」ですね。
のり弁の上におかずをのせれば、上段の海苔がお弁当のフタに付いてしまう悩みも解消できます。
先ほどご紹介した『ふじヱ茶房』の「海苔重」は、別盛りで3種類の日替わりおかずをつけています。
お店に伺ったその日は、左から「酢の物」「炙った明太子」「れんこんきんぴら」。またある日は、「ほうれん草の胡麻和え」「ナムル」「梅干し」といった日もあるそう。
『ふじヱ茶房』の料理長は、付け合わせのおかずを選ぶポイントとして、「ピリ辛や塩気のあるもの、甘みのあるものなど、味や食感で変化を楽しめる具材」を選ぶようにしているのだそうです。
例えば、ほぐした鮭と、ほんのり甘いそぼろ卵を使った「そぼろのり弁」はいかがでしょう。少し塩気の効いた漬物をのせると、味の違いも食感も楽しめます。
このほかにも、チキンソテーや青菜のからし和え、サッと作った野菜の塩もみや、さつまいもの甘煮など。組み合わせ次第でバリエーション豊かなのり弁ができそうですね。
子どもから大人まで昔から愛されてきた手作りの「のり弁当」。この方法ならより一層、海苔とごはんの美味しさが引き立ちます。
ぜひ上記のレシピを参考に、誰からも喜ばれる「美味しいのり弁」作ってみてくださいね。