緑茶と紅茶、何が違うの?味の違いから健康効果まで徹底解説!
はじめに
緑茶と紅茶は、世界中で愛されている代表的なお茶です。
どちらも同じ「チャノキ」から作られるお茶ですが、その製造方法の違いにより、見た目も味わいも香りも、全く異なります。
今回は、紅茶と緑茶の違いについてご紹介します。
紅茶と緑茶の違い
①チャノキの品種が違う
「チャ」は世界に数百種以上ありますが、現在栽培されているのは、大きく2種類に分けられます。
ひとつが中国種。葉が小さく、比較的寒さに強い、切れ味がある味わいが特徴で、主に緑茶や烏龍茶の原料になります。
もう一つがアッサム種。こちらが紅茶の原料になります。アッサム種は葉が大きく、温暖な気候を好みます。コクがあってまろやかな味わいが特徴です。
中国種とアッサム種は見た目は異なりますが交配は可能です。そのため、新しい味や香りを求めて、世界各地で品種改良がおこなわれています。
②製造方法が違う
緑茶と紅茶は、製造方法が異なるため、お茶の中での分類が異なります。
まず、緑茶は、茶摘みした茶葉をまもなく蒸したり釜炒りしたりして発酵を抑制した「不発酵茶」です。
発酵をいちはやく止めることで、茶葉内の成分が変化することなく、鮮やかな緑色や風味を維持することができます。代表的な製法としては、蒸し製と釜炒り製がありますが、いずれも過熱をすることで酵素の働きを止めていることに変わりはありません。
緑茶はご存じの通り、爽やかな香りと飲みやすさが特徴ですが、これは摘み取った茶葉をまもなく熱処理によって発酵を止めることで、茶葉本来のフレッシュな風味や味わいが残されているためです。
一方の紅茶は、茶摘みした茶葉の発酵を最大限進めて作られるお茶です。
摘み取った茶葉を、15〜18時間程度かけてじっくり萎凋(いちょう)という萎らせる工程を経てから揉み、発酵させたのち、乾燥させて作られます。
発酵度によって、ブラックティー、グリーンティー、ホワイトティーなどに分類されます。発酵時間が長いほど味はまろやかになり、色は濃くなります。
紅茶の大きな魅力である、花や果実を思わせる香りについても、この「萎凋」の工程により生み出されるものです。
酸化発酵をさせることでお茶の葉独特の青臭さが抑えられ、リナロールやゲラニオールが多くなるため、レモンやバラのようなフルーティーで芳醇なさまざまな香り成分が作られていきます。
③栄養成分が違う
紅茶と緑茶は同じ原料から作られているため、基本的には成分や効能は同じですが、発酵の有無で、減少する成分もあれば、新たに作り出される成分もあり、それぞれの栄養成分にも違いがあります。
緑茶は、茶葉を摘み取ってすぐに発酵を止めるため、カテキンやテアニン、ビタミンCなどの健康成分が、紅茶に比べて豊富に含まれています。
特に緑茶に多く含まれるカテキンは、抗酸化作用や抗菌作用があり、生活習慣病の予防やアンチエイジング効果が期待できます。テアニンは、リラックス効果やストレス軽減効果があります。
一方の紅茶には、生の茶葉を発酵させる過程で生成される、アントシアニンやテアフラビンなどの健康成分が豊富に含まれています。
テアフラビン類は、抗酸化作用や抗炎症作用があり、動脈硬化予防やがん予防効果が期待できます。
緑茶に多く含まれているカテキンは、いろいろな物質と結合しやすく、変化しやすいのが特徴で、紅茶に含まれていたカテキンは発酵過程で別の物質に変化しており、緑茶と比較すると30-40%の含有量にとどまります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は緑茶と紅茶の違いを原料や成分などの観点からご紹介いたしました。
どちらも同じチャノキの葉からできていますが、製造方法も違えばその見た目や香り、味わいも大きく異なります。
発酵を止めることで、茶葉のフレッシュなうまみをそのままに凝縮した緑茶、発酵を進めたことで独特の成分と芳醇な香りを身にまとった紅茶。
それぞれの違いを楽しみながら、お茶を飲んでみるといつもと違う楽しみ方ができるかもしれません。