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お茶初心者必見!よくある疑問Q&A – 基礎知識から選び方まで
はじめに
近年、ペットボトル茶が普及し、急須で淹れるお茶の文化が薄れつつあります。しかし、急須で丁寧に淹れたお茶は、ペットボトル茶とは異なる格別な味わいがあります。
この記事では、皆様から寄せられる急須を使ったお茶の淹れ方に関する疑問を解消し、より美味しいお茶を楽しんでいただくためのヒントをお届けします。
よくあるご質問
質問:急須やティーポットはそれぞれ買い揃えないといけないの?
汎用性の高い急須やティーポットであれば、一つ持っているだけで様々なお茶に対応できます。
一般的に、急須は日本茶専用と思われがちですが、実際には烏龍茶や紅茶など、さまざまなお茶を手軽に淹れることができます。
ただし、素焼きの陶器製の急須は、香り移りがしやすいという特性があります。そのため、複数の種類のお茶を楽しむ場合は、時期や用途に応じて使い分けるのがおすすめです。
使い勝手の良い急須やティーポットとしては、適度な丸みを帯びた形状で、取っ手が横についており、片手で蓋を抑えられる程度の大きさが挙げられます。
容量については、使用用途に合わせて選ぶことが重要です。
例えば、2人分のお茶を淹れる場合は、150〜220ml程度の容量が目安となります。
また、蓋と本体の間に隙間がないかどうかも確認しましょう。隙間があると、蒸らしや温度管理に影響が出てしまう可能性があります。
良い急須やティーポットは、大切に使えば10〜20年と長く愛用できます。
多少高価でも、お気に入りのものを選ぶことで、長く愛着を持って使い続けることができるでしょう。
急須選びのチェックポイント
- 適度な丸みがあるか
- 取っては握りやすいか
- 片手で持てる重さか
- 使用用途に合うサイズか
- ふたと本体の間に隙間がないか
質問:お茶を美味しく淹れるコツが知りたいです
お茶を美味しく淹れるコツは、実はシンプル。それは、きっちり「計る」ことなんです。
ポイントは3つ
- 茶葉の量
- 蒸らし時間
- お湯の温度
この3つをきちんと計るだけで、いつものお茶が格段に美味しくなります。
まずは茶葉の量に関してです。「スプーン1杯=約2.5~3g」と思われがちですが、茶葉の種類によって重さは大きく変わります。毎回クッキングスケールで計量するのが、実は一番の近道。
とはいえ、いつもキッチンスケールを使うのは面倒…という方が大半ではないでしょうか。
そんな時は、お気に入りの急須や茶碗のサイズ・容量を把握しておきましょう。そうすれば、大体の目安量で淹れられるようになります。
ぜひ、色々試して「自分にとっての一番美味しい淹れ方」を見つけてくださいね。
一般的な道具のサイズ
急須(手のひらに収まるサイズ) | 220ml |
スプーン | 2.5-3g |
茶碗(両手で包み込めるサイズ) | 110ml |
ティーポット(高さ約18センチのもの) | 500ml |
ティーカップ(高さ5-6センチのもの) | 110ml |
マグカップ(一般的なサイズ) | 300ml |
質問:適温ってどうやって作るの?
お茶の温度調整は、実はとっても簡単。特別な道具は必要ありません。
覚えておきたい2つの法則
- 沸騰したての100℃のお湯をカップに注ぐと、約7〜10℃温度が下がります。
- そのまま1〜2分置いておくと、さらに約5℃下がります。
さらに、別の容器に移し替えるたびに、約7℃温度が下がります。
この2つの法則と容器の移し替えを組み合わせれば、温度計がなくても様々な茶葉に合った適温を簡単に作り出すことができるのです。
具体例でみてみましょう。例えば、煎茶の適温は一般的に80℃だと言われています。
- 沸騰したお湯をカップに注ぎます。(約90〜93℃)
- 1〜2分置いておきます。(約85〜88℃)
- 別の容器に移し替えます。(約78〜81℃)
これで、ほぼ煎茶に最適な温度になりました。
お茶の温度管理は、難しく考える必要はありません。今回ご紹介した方法を参考に、色々試してみてください。
入れ替える器がないときは?
煎茶などのお茶を淹れるのに最適な温度は約75℃と言われています。しかし、急須や湯呑みが足りない場合もありますよね。
そんな時は、大さじ1杯(15ml)の水を急須やポットに入れ、そこに熱湯150mlを注ぎましょう。これで約80℃になります。
あとはお茶の葉を入れ、1-2分ほど置いてください。これで美味しいお茶の出来上がりです。
質問:二煎目以降も美味しく飲むにはどうしたらいいの?
お茶は一度だけでなく、二度、三度と楽しむことができます。しかし、二煎目以降も美味しく飲むためには、ちょっとしたコツが必要です。
1. 最後の一滴まで注ぎきる
お茶を淹れる際、最も大切なのは「最後の一滴まで注ぎきる」ことです。急須にお湯を残してしまうと、茶葉から成分が抽出され続け、風味が損なわれてしまいます。
2. 茶葉の目詰まりを防ぐ
一煎目を淹れた際に、茶葉が茶こし部分に詰まってしまうことがあります。
この目詰まりは、二煎目以降の風味を損なう原因の一つです。急須の壁を軽くとんとんと叩くことで、詰まった茶葉を落としましょう。
※ティーバッグで美味しく淹れる方法
ティーバッグを使用する場合は、茶器やティーバッグが冷めないうちに二煎目を淹れることがポイントです。
これらのちょっとした工夫で、二煎目、三煎目も美味しいお茶を楽しむことができます。ぜひ、試してみてください。
質問:一度淹れたお茶を温めなおしてよいですか?
一度淹れたお茶を温め直すことはおすすめできません。温め直すと、お茶本来の香りが失われ、風味も落ちてしまいます。
また、お茶に含まれるタンニンという成分が渋みを際立たせるため、温め直したお茶は美味しくありません。
電子レンジなどで温めなおすよりは、冷めたお茶をそのまま味わうほうが、味・風味ともに楽しむことができます。
質問:大人数にお茶を淹れるときにばらつきがでてしまいます。
お茶を淹れるコツは、ちょっとずつ、そして一往復することです。
濃度と味を均一にするために
最も大切なのは、濃度と味にムラが出ないように、均一に注ぐことです。
器を並べ、A→B→C→C→B→Aのように、折り返しながらお茶を淹れると、味も温度も均一になります。一方通行でA→B→C→A→B→Cのように淹れてしまうと、味や温度に偏りが生じる原因になります。
4人以上の来客には大きな土瓶が便利!
大勢のお客様にお茶を淹れる際、大きな土瓶があると大変重宝します。特に、4人以上の来客が頻繁にあるご家庭では、一つ持っておくと便利でしょう。
茶葉の量は9割程度に
土瓶で淹れる場合、茶葉の量は通常の9割程度に抑えるのがポイントです。なぜなら、土瓶は湯を注ぐのに時間がかかり、その間茶葉が湯に浸っている時間が長くなるため、味が濃くなりやすいからです。
質問:急須を揺らしたほうが味がしっかり出ますか?
お茶を淹れる際、急須を揺らすことは、実は逆効果になる可能性があります。
急須を揺らすと、お茶のうまみ成分だけでなく、苦みや渋み成分まで溶け出してしまいます。そのため、お茶本来の繊細な味わいが失われてしまうのです。
美味しいお茶を淹れるためには、焦らずにじっくりと待ちましょう。茶葉が自然に開き、お湯にうまみが溶け出すのを静かに待つことが大切です。
お茶の種類や茶葉の状態によって最適な抽出時間は異なりますが、一般的には、煎茶で約1分、深蒸し茶で約30秒が目安となります。
ぜひ、急須を揺らさずに、丁寧に淹れたお茶を味わってみてください。
質問:注ぎ終わったあと、急須のフタはそのままでいいですか?
フタは開けておくのが正解です。
一煎目を注ぎ終わった後、急須のフタを閉じたままにしておくと、蒸気で中の茶葉が蒸れて開きすぎてしまいます。これが、2煎目以降が苦くなったり渋くなる原因に。
そこで、一度注ぎ終わったら、フタを取る、もしくは少しずらすのがオススメです。
急須の中の熱を逃がすことで、茶葉の蒸れすぎを防ぎ、2煎目以降も美味しくいただけます。
さいごに
いかがでしたか。ここまで、お茶の淹れ方に関する様々な疑問にお答えしてきました。
「美味しいお茶を淹れる」と聞くと、少しハードルが高いように感じるかもしれません。しかし、基本的なポイントを押さえれば、誰でも簡単に美味しいお茶を楽しむことができます。
「お茶を淹れるのって、なんだか面倒…」「やっぱりペットボトルのほうが楽…」そう感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。
たしかに、お湯の温度や抽出時間など、気を配るべきポイントはいくつかあります。
しかし、それは決して面倒なのではなく、日本茶の世界がそれだけ奥深いということなのです。
ペットボトルのお茶も手軽で便利ですが、急須で淹れたお茶には、ペットボトルのお茶に比べて、テアニンが約5倍、ポリフェノールが約1.4倍、カテキンが約2.5倍も多く含まれています。お茶の葉から直接抽出することで、これらの有効成分をより多く摂取することができるのです。
ぜひ、このちょっとした工夫で、いつものお茶をさらに美味しく、そして健康に楽しんでくださいね!