香典のマナー完全ガイド!金額、書き方、マナーまで解説
香典とは
香典とは、仏式等の葬儀で死者の霊前等に供える金品のことを指します。
もともとは、故人に捧げるお香を差し上げるという意味でしたが、現在はお香の代わりに金銭を包むのが一般的です。
通夜か葬儀・告別式に持参します。
香典は、遺族の葬儀の負担を軽減するという相互扶助的な意味合いがあります。また、故人への供養の気持ちを込めるものでもあります。
香典の金額相場
包む金額については、自身の年代や故人との関係性、地域によっても異なります。
例えば会社の上司や友人の場合は、5,000円から10,000円程度が相場ですが、両親や兄弟の場合は3万円~10万円など、故人との関係性によってその金額帯には幅があります。また20代と50代でも相場とされる年齢は異なります。
金額についてはもれなく遺族側で確認するため、同年代同立場にもかかわらず大きく差があると違和感を感じさせてしまいますし、印象もよくありません。可能ならばともに参列する知人に金額を事前に聞いてみるとよいでしょう。
香典袋の書き方
香典袋には、表書き、名前、住所と、記入しなければならない項目がありますが、毛筆または筆ペンを使って「薄墨」で書くことが基本です。
薄墨とは、その名の通り薄い墨を用いたもので、薄墨は故人に対して悲しみを表すと言われています。
まずは、お札を白封筒に入れ、袋に表書きとご自身のお名前を書きます。二重封筒にする場合は、内側の封筒には金額を書きます。
香典の表書きは、一般的に「御霊前」「御仏前」としますが、宗派によって異なりますので注意が必要です。
キリスト教式では「献花料」「御花料」、神式では「御玉串料」、無宗教では「御花料」「御霊前」と書きます。
内袋がある場合は内袋の裏面に、ない場合は香典袋の裏面に、贈り主の住所、氏名を記入しましょう。
お金の包み方
お金を入れる向きは、香典袋や中袋の表面に対して、肖像画を裏向き、下向きにしていれるのが作法です。
こうすることで、ご遺族が香典袋を開けた際に、お札の表(肖像画が描いてある方)が上にくるようになるのです。また、顔は下側に来るほうがよいとされています。
香典を渡すマナー
香典は、通夜やお葬儀、告別式の時に香典袋に入れて持参し、受付で係の人に渡します。
香典袋は紺かグレーのふくさに包んで持参し、差し出すときにだしましょう。袱紗がない場合は白いハンカチで包むのでも問題ありません。
香典を贈る際の注意点
以下に、香典で、現金を贈る場合に関する注意点をご紹介します。お通夜やお葬式には様々なしきたりやマナーがあります。香典はマナーを守って渡すことが大切です。
- 適度な使用感があるお札を選ぶ(あまりに汚いお札と新札は避ける)
- 包む金額は奇数(1枚、3枚、10枚あたりにするのが一般的)
- お札の向きは揃える
- 表書きは間違いないか確認する
- 袱紗(ふくさ)を使う
- 両手で渡す
現金ではなくお供えを贈る場合
現代は現金を贈ることが一般的ではありますが、現金に代えてお線香やお菓子など霊前に飾る品(供物)を香典の品物としてお渡しすることは問題ありません。
香典とはそもそも個人や遺族に対する弔意を示すためのものですから、決して現金以外はマナー違反ということではないのです。
しかしながら、お供えを贈る際はいくつかの注意点があります。
1. 事前に確認する
供物を持参する前に、ご遺族に「香典の代わりに品物を贈ってもよいか」を確認しましょう。
事前に「ご供花お香典お供物辞退」のご案内が届いている場合は、香典含め供物、供花など何もお贈りしない、が正解です。
香典や供花などをお送りすると、当然ながらご遺族ご親族は返礼品などのお礼をしなければなりませんから、品物を贈ることで相手の負担になる恐れがあります。
葬儀に参列する前や、ご遺族の自宅に弔問に行く前に必ず確認をしましょう。
2 適切な品物を選ぶ
供え物は何でもよいわけではありません。
香典の代わりに持参する品物は、仏事に関係するものを選びましょう。
仏教の五供と呼ばれる「香」「花」「灯明」「水」「飲食」を意識するのが基本です。
- 香:線香や抹香
- 花:供花
- 灯明:ろうそく
- 水:お供えの水
- 飲食:菓子、果物など
3. 金額の目安
供え物の金額は、5,000円ほどが目安といわれていますが、お線香やお菓子と、供花では当然金額帯が異なります。
お線香やお菓子の場合は3,000円程度、供花の場合は1万5千~2万円程度が相場ではありますが、地域や宗派によって異なる場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
あまりに高額すぎるお供え物は、ご遺族に気を遣わせてしまう心配があります。反対に、あまりに安価すぎても失礼に当たります。故人との関係を考慮したうえで、ご予算も決定しましょう。
4. 供物の渡し方
線香やお菓子などの持参できる供え物は、葬儀当日に受付で係の人に渡します。
品物を渡す場合、商品を紙袋から取り出して入口で渡しましょう。現金で包む香典と併せて渡す場合は、現金と供え物を別々に渡します。
5. 掛け紙と表書き
供え物には、掛け紙をかけ、「御供」または「御供物」と表書きします。
現金で包む香典と併せて渡す場合は、現金の表書きには「香典」、供え物の表書きには「御供」と書くのが一般的です。
6. 花(供花)を贈る際の注意点
供花(きょうか、くげ)とは、通夜や葬儀で故人の冥福を祈り、疲弊した遺族の気持ちに寄り添うために贈る花です。
故人に別れを告げる意味や、祭壇を飾る役割もあります。現代では、故人やその親族との関わりが深い方から贈られたり、葬儀に参列できない方からの弔意として贈られたりします。
供花の意味は宗教によって異なるため、手配する前に葬儀の宗派を確認しておくことが大切です。
また、供花は、葬儀会場に飾られるため、事前に予約しておく必要があります。
遺族の意向で供花は辞退していることもあるため、くれぐれも事前に遺族や葬儀会場に連絡を行い、供花の手配が可能か確認するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか。故人を偲びお別れをする場である葬儀には、細かいマナーが数多く存在します。
あまり機会がないにもかかわらず、服装や香典に関することなど、振る舞いにルールが多く、なんだか気が重くなってしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、こうしたルールを一つ一つ守ることにも供養の意味があるのです。
故人に配慮した最低限のマナーを心得ておくことが大切です。