ビタミンCが壊れない?緑茶の秘密を科学的に解説
ビタミンCの重要性と不足による影響
ビタミンCは、私たちの健康維持に欠かせない栄養素です。
コラーゲンの生成を助ける働きがあり、皮膚や血管の健康維持に貢献します。しかし、体内に蓄えることができず、毎日の食事から摂取する必要があります。
ビタミンCが不足すると、壊血病になるだけでなく、免疫力が低下し、風邪をひきやすくなるなど、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。
お茶に含まれるビタミンCの意外な事実
意外なことに、お茶、特に上級煎茶には、豊富なビタミンCが含まれています。1日に4~5杯の煎茶を飲むことで、1日のビタミンC摂取量の30~50%を補えると言われています。
一般的に、ビタミンCは熱に弱く、調理の過程で壊れやすい栄養素であると考えられています。
しかし、お茶を淹れてもビタミンCが比較的多く残存しているのです。これは、お茶に含まれるカテキンという成分が、ビタミンCを酸化から守り、壊れにくくしているためです。
ビタミンCが熱に弱い理由
ビタミンCは、熱や光、酸素に弱く、調理の過程で壊れやすい栄養素です。実際、野菜に含まれるビタミンCは10分間ゆでると50%以上が分解されてしまいます。
これは、ビタミンCが水に溶けやすい性質を持っていることと、熱によって分子構造が変化し、壊れてしまうことが原因です。
お茶のビタミンCが安定している理由
しかし、お茶に含まれるビタミンCは、他の食品に比べて比較的安定しているのです。
その理由は、お茶の葉に含まれるカテキンという成分が、ビタミンCを酸化から守り、壊れにくくしているためです。
カテキンには、非常に強い抗酸化作用があり、ビタミンCが酸化して壊れるのを防ぐ働きがあるのです。一般的に、ビタミンCは熱や光に弱く、調理や保存の過程で壊れてしまうことがよくあります。
しかし、緑茶に含まれるカテキンが、まるで盾のようにビタミンCを覆い、酸化から守ってくれるため、お茶を淹れてもビタミンCが比較的多く残存するのです。
緑茶の製法とビタミンCの関係
緑茶の製法も、ビタミンCを壊れにくくする一因となっています。
生の茶葉には、ビタミンCを壊してしまう酵素が含まれていますが、緑茶の製法では、高温の蒸気で一気に蒸し上げることで、この酵素の働きを素早く止めます。これにより、茶葉の中のビタミンCが酸化されるのを防ぎ、比較的安定した状態で保存できるのです。
いかがでしたか。これらのことからも、ビタミンCを摂るにはお茶が効率的であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
全ての茶葉にビタミンCが豊富に含まれているわけではない
ただし、全ての茶葉に同じようにビタミンCが多く含まれているわけではありません。
作物の中のビタミンCは、日光を浴びて作られます。そのため、被覆栽培で作る玉露や抹茶よりも、日光を多く浴びて育った茶葉の方が、ビタミンCを豊富に含んでいる傾向があります。
また、ビタミンCは酸化されやすいため、発酵させてつくる烏龍茶にはわずかしか含まれず、紅茶には全く含まれていません。
まとめ
お茶は、手軽にビタミンCを摂取できる飲み物です。
カテキンがビタミンCを保護し、緑茶の製法もビタミンCを壊れにくくするため、お茶を飲むことで効率的にビタミンCを補給することができます。
一日の終わりには、リラックス効果のあるお茶を飲みながら、健康な体づくりを始めませんか?