すさまじいお茶の殺菌力!食中毒菌も撃退!健康に役立つお茶の秘密
はじめに
緑茶の殺菌効果は、古くから知られており、コレラ菌などの病原菌に対する抗菌作用は、その代表的な例として挙げられます。
特に、感染症が蔓延しやすい現代において、緑茶が持つ殺菌力は、改めてその有効性が注目されています。
カテキンがもたらす殺菌作用のメカニズム
緑茶の殺菌効果の主な要因は、カテキンという強力な抗酸化作用を持つポリフェノールの一種にあります。
カテキンは、細菌の細胞膜を破壊したり、酵素の働きを阻害することで、細菌の増殖を抑える働きがあるだけでなく、特定のカテキンであるエピガロカテキンガレートやエピカテキンガレートは、コレラ菌に対して強い殺菌効果を発揮し、さらにコレラ菌が産生する毒素を中和する効果も確認されています。このことは、島村忠勝らの1988年の研究で明らかにされました。
食中毒菌にも有効!カテキンの力
コレラ菌はあくまで一例であり、カテキンによる殺菌効果は、食中毒の原因となる大腸菌O-157やサルモネラ菌、胃潰瘍の原因となるピロリ菌など、様々な種類の細菌に対して有効であることが確認されています。
食中毒の原因菌は、腸炎ビブリオやウエルシュ菌のような感染型の菌と、ブドウ球菌やボツリヌス菌のような毒素を産生するタイプの菌に大きく分けられます。
研究者(原征彦ら)によると、カテキンの中でもエビガロカテキンガレートやエピガロカテキンは、これらの菌に対して、一般的な濃度のお茶の半分程度の濃度でも強い増殖抑制効果を示すことが明らかになっています。
また、近年問題となっている腸管出血性大腸菌O-157に対しても、通常の濃度のお茶の4分の1程度の低濃度で殺菌効果があることが報告されています。
さらに、抗生物質の効きにくい薬剤耐性菌の一種であるMRSAに対しても、カテキンが低濃度で殺菌効果を発揮することが、島村忠勝らの研究によって証明されています。
寿司とお茶の組み合わせに隠された意味
「お寿司とお茶」のセットが一般的であるのは、単なる習慣だけでなく、食中毒予防という歴史的な背景があると考えられます。
特に、生魚を扱う寿司においては、昔は冷蔵庫も発達しておらず、食中毒のリスクが高かったため、殺菌効果のあるお茶を一緒に飲むことで、食の安全を確保しようとする知恵が働いていたのでしょう。
同様に、夏場には食中毒が発生しやすいことから、食事と一緒に茶を飲む習慣が定着したと考えられます。