海苔の種類について|海苔の豆知識|海苔のことなら山本山
はじめに
ご飯のお供として、おにぎりや手巻き寿司の具材として、幼いころから様々な形で生活とともにあった海苔。間違いなく、日本人の食卓に欠かせない食材の一つです。しかし、一口に海苔と言っても、実は様々な種類があり、味、食感、栄養価もそれぞれ異なります。
今回は海苔の種類や違いについてご紹介します。
海苔の種類
海苔にはどのような種類があるのでしょうか。海苔の種類は、主に以下の3つの方法で分類されます。
- 原料:アマノリ(スサビノリ、アサクサノリ)、ヒトエグサ
- 加工方法:生海苔、乾海苔、焼き海苔、味付け海苔など
- 形状:板海苔、もみのりなど
主な海苔の原料
海苔の原料となる海藻は様々ですが、中でも「アマノリ属」は最も代表的な種類の一つです。
アマノリは、紅藻綱ウシケノリ目ウシケノリ科に属する海藻の総称です。世界で早く130種ほど知られていますが、日本には約30種のアマノリが分布しており、主に以下の2種類が海苔の原料として利用されています。
1. スサビノリ
日本で最も一般的な海苔原料です。厚みがあり、パリッとした食感と光沢の良さが特徴です。全国各地で養殖されており、現在販売されている海苔はほとんどがスサビノリです。
2. アサクサノリ
関東地方で主に養殖されているアマノリです。スサビノリよりも薄くて柔らかく、磯の香りが特徴です。昭和20年ごろまで養殖海苔の主流の品種でありましたが、現在は絶滅危惧種に指定されています。漢字で書く「浅草海苔」は、昔の乾海苔の総称です。
アマノリ属以外にも、ヒトエグサ(一般名称:あおさのり)も海苔の原料として使われます。ヒトエグサとは文字通りヒトエグサ属に類する薄緑色の海藻で、柔らかい食感と磯の香りが特徴です。主に味噌汁やスープの具材としてよく使われます。
加工方法による違い
1. 生海苔
収穫した海苔を異物除去や洗浄を行った、生の状態の海苔です。原藻ともいいます。とろりとした食感と、磯の香りの強さが特徴です。
佃煮などの加工品を作る時にも使われますが、加工だけではなく、そのまま生でも食べられます。
2. 乾燥海苔(乾海苔(ほしのり))
生海苔を洗浄、裁断して乾燥させたものです。板海苔、バラのりなど様々な形状があります。黒紫色や黒褐色で、磯の香りが強い点が特徴です。
通常の焼海苔よりも水分を含んでいるため、焼海苔ほどパリパリっとしません。
板海苔については、巻き寿司の材料としてよく使われます。生のりをそのまま乾燥した状態のばら海苔は、お寿司屋さんで提供される赤だしの具として使われることが多いです。3. 焼き海苔
乾燥海苔を焼いたもので、現在販売されているのはこちらがほとんどです。深い緑色をしており、香ばしい香りが特徴です。パリッとした食感で、ご飯のお供として最適です。乾燥海苔よりも厚みがあり、しっかりとした食感を楽しめます。
4. 味付け海苔
焼き海苔に醤油や砂糖などを味付けしたものです。甘辛い味付けで、そのまま食べることができます。おやつや軽食として人気があります。
形状による違い
1. 板海苔
生海苔を刻んで水に放ち、板状に漉いて乾燥させたもので、四角いシート状をした乾海苔(ほしのり)のことを指します。火入れ前の海苔スーパーの海苔売場に並んでいることはなく、海苔の専門店で購入することができます。食べる前に炙ってパリッとさせていただきます。
大きさは約21cm×18cmが基本で、これを全型(ぜんけい)と呼びます。苔を数える単位には本来「帖」をつかい、全型の海苔10枚が1袋で「1帖」、20枚なら「2帖」となります。
全型海苔は用途に合わせて様々なサイズにカットされています。
全型を半分に切った大きさが半切(はんさい)、三等分にしたものが三切(さんさい)、四等分にしたものが四切(よんさい)、六等分にしたものが六切(ろくさい)、八等分にしたものが八切(はっさい)と呼ばれています。
板海苔を焼き上げたものが焼海苔、醤油や砂糖で味をつけたものが味付け海苔となり、すべての海苔の基本となります。
2. バラ海苔
板状にせず、海苔の原料である生のりをそのまま乾燥させたものです。
形がバラバラで細かいのが特徴で、板海苔よりも薄いため、サクサク・パリパリとした食感を楽しめます。また、海苔本来の旨みや磯の風味をそのまま感じられるので、おみそ汁などの汁物にもおすすめです。
3. もみのり
もみのりは、苔を製造するときに切り落とされる端の部分です。細かくする際に手などで、揉むことから“もみのり”と呼ばれています。長さや太さは不揃いですが、長さは5㎝程度のものが多いです。パスタや卵かけご飯など幅広いお料理に、トッピングとしておすすめです。