〆は、お茶で。 issue 16 鶏むね肉とえのきの味噌餃子 × 福岡「やめ」
ヘルシーな餃子に合う、
やめ茶の爽快さ。
コース料理の最後に小さなエスプレッソが添えられるように、“食後のお茶”があることで、一皿の余韻はさらに広がります。家庭でつくれる身近な料理に合わせて、伝統あるお茶の魅力を再発見していただく企画。料理の背景や作り方の工夫、そしてその一杯が生み出す調和を、料理研究家の夏井景子さんと担当編集者の対話を通じて紐解いていきます。
food coordinate Keiko Natsui photo Yoshimi edit & text Shingo Akuzawa

ー 鶏むね肉とえのきの味噌餃子。今回こちらを選んだ理由を教えてください。
夏井 スープのように軽いメニューもいいんですが、やっぱりメインになる一皿も欲しくて。
がっつりした料理でも、具材の組み合わせを工夫すれば、たんぱく質もしっかり摂れて、野菜も多く取り入れられる。ヘルシーさと食べ応え、その両立を意識してこの餃子にしました。
ー 鶏むね肉なのに、パサつきがなくて驚きました。
夏井 むね肉はどうしてもパサつくイメージがありますよね。そこを、粘りのある山芋と、水分を多く含むえのきで補っています。えのきは細かく刻むと、とろみが出るんです。その粘りで、むね肉の水分が逃げにくくなるイメージですね。

ー 味噌を入れているのもポイントでしょうか。
夏井 そうですね。むね肉はさっぱりしているので、味噌を少し加えることで、旨味とコクが出て、軽すぎない餡になります。
ー 調理の際のポイントはありますか?
夏井 えのきはできるだけ細かく刻むことと、山芋も粗めのみじん切りにすること。食感を残しつつ、包みやすくするためです。キャベツを使っていないので、通常の餃子のように水分を絞る手間がなく、意外と手早くつくれます。

ー 栄養面でもバランスがいいですね。
夏井 鶏むね肉でたんぱく質、きのこで食物繊維、山芋は腸内環境を整える働きも期待できます。ヘルシーに餃子を食べたいときには、ちょうどいい組み合わせだと思います。

ー たれもさっぱりしていました。
夏井 餡に味噌で下味をつけているので、たれはお酢と胡椒、塩だけ。醤油を使わず、酸味ですっきり食べてもらえるようにしています。

ー 合わせたのは、福岡の「やめ茶」でした。実際に合わせてみていかがでしたか?
夏井 すっきり感のあるお茶なので、餃子と合わせると口の中が一度リセットされる感じがありました。お酢の酸味や、味噌のコクが残ったあとに飲むと、口の中が軽く整って、また次の一口が自然と進むんですよね。油っぽさが残りにくいのも心地よくて、餃子のように食べ応えのある料理でも、重たく感じずに楽しめました。食事の流れを止めず、リズムよく食べ続けられるのは、やめ茶のすっきりした飲み口ならではだと思います。

がっつりとした料理も、具材を選べば軽やかに楽しめる。
鶏むね肉に、山芋とえのきのしっとり感、味噌のコク。
その余韻を受け止めるのは、やめ茶の澄んだ一杯。
重さを残さず、静かに食後を整えてくれる“〆”の時間。
今月のレシピ
鶏むね肉とえのきの味噌餃子

【材料】(25個分)
・鶏むねひき肉 100g
・長芋 80g
・榎 1/4袋(25g)
・玉ねぎ 1⁄4個(50g)
・A (味噌 小さじ2、醤油 小さじ2、酒 小さじ1、塩 ひとつまみ、片栗粉 小さじ2)
・餃子の皮 25枚
・ごま油 小さじ1
・酢、塩、ブラックペッパー 適量

【つくり方】
①長芋は皮を剥き粗みじん切りにする。榎は5mm幅に切る。玉ねぎはみじん切りにする。
②ボウルに鶏むね肉、長芋、榎、玉ねぎを入れよく混ぜる。Aを加え更によく混ぜる。餃子の皮で包む。
③フライパンにサラダ油適量(分量外)を敷き餃子を並べて焼く。(10〜13個)焼き色がついたら水100ccを入れ蓋をして5分蒸焼きにする。蓋をとり水分が残っていたらとばす。
④サラダ油を小さじ1(分量外)をまわし入れ焼き色をつける。残りも同様に焼く。
⑤小皿に酢、塩、ブラックペッパーを入れつけながら食べる。
