March 10, 2026

issue 14 ココナッツミルクと豆乳の葛プリン〜あんずソース添え〜 × ほうじ

春の甘味に寄り添う、
ほうじ茶の香ばしさ

コース料理の最後に小さなエスプレッソが添えられるように、“食後のお茶”があることで、一皿の余韻はさらに広がります。家庭でつくれる身近な料理に合わせて、伝統あるお茶の魅力を再発見していただく企画。料理の背景やつくり方の工夫、そしてその一杯が生み出す調和を、料理研究家の夏井景子さんと担当編集者の対話を通じて紐解いていきます。

food coordinate Keiko Natsui photo Yoshimi edit & text Shingo Akuzawa

この記事のおすすめ商品ほうじ茶 30g

商品を見る{Explore Our Selection}

ー ココナッツミルクと豆乳の葛プリン〜あんずソース添え〜、とても美味しかったです。選んだ理由を教えてください。

夏井 春なのでなるべく身体を冷やさないスイーツにしたいなと思いました。乳製品を使わず、ココナッツミルクと豆乳でつくるのもその理由です。ゼラチンだと冷やさないと固まらないのですが、葛粉や粉寒天は、熱が抜ければ常温でも固まる。しっかり冷やさなくても食べられる、やさしい口当たりのデザートにしたかったんです。

ー あんずを合わせたのも印象的でした。

夏井 春は“デトックスの季節”とも言われるので、めぐりを意識してあんずを使いました。あんずはカリウムが豊富で、身体のめぐりを助けてくれる果物。旬は夏ですが、ドライのあんずなら季節を問わず使えるので、ソースにして合わせています。

ー ココナッツミルクのコクもあって、物足りなさは感じませんでした。

夏井 ココナッツミルクは、甘さを足すというより、香りとコクをプラスしてくれる存在ですね。あんずの食感がアクセントになるよう、ドライあんずは小さめに刻んでいます。大きすぎると、煮たときに水分だけ飛んで硬さが残ってしまうので、そのあたりがポイントです。

ー 合わせたお茶は、ほうじ茶でした。

夏井 ほうじ茶は和菓子にも洋菓子にも合わせやすい、懐の深いお茶。あんずは和にも洋にも寄る果物なので、ほうじ茶の香ばしさがちょうどよく寄り添ってくれるなと思いました。

ー 確かに、香ばしさがデザートの甘みを引き締めてくれました。調理のポイントはありますか?

夏井 葛粉と粉寒天は、最初にしっかり溶かしておくこと。ダマが残ると、うまく固まらないので、そこは丁寧に。作業自体は簡単で、常温で固まるので、思い立ったらすぐつくれるのもいいところです。

ー 気軽につくれるのがうれしいですね。

夏井 プリンに使うことの多いゼラチンは動物性なので、今回は植物性の葛を選びました。そのほうが、気持ちの面でも軽やかに楽しめるかなと思って。そこも、このデザートのポイントですね。

春先は、身体の巡りが変わりやすく、無意識のうちに冷えを感じやすい季節。
乳製品を使わず、ココナッツミルクと豆乳で仕立てた葛プリンに、
干しあんずのやさしい酸味を添え、ほうじ茶の香ばしさで締める。
温度を下げすぎない甘味だからこそ、
お茶のぬくもりが、すっとからだに馴染んでいきます。

今月のレシピ

ココナッツミルクと豆乳の葛プリン〜あんずソース添え〜

【材料】(4人分)
・A (ココナッツミルク 250cc 、無調整豆乳 150cc、砂糖 50g )
・葛 6g
・粉寒天 1g
・ドライあんず  80g
・水 150cc
・砂糖 小さじ2

【つくり方】
①葛と粉寒天は豆乳大さじ2で溶いておく。
②鍋に①とAを入れよく混ぜる。混ざったら中火にかけ混ぜながら温める。沸騰したら弱火にし、3 分火にかける。耐熱の器に入れ、固まるまで冷ます。
③あんずソースをつくる。あんずを細かく刻み、水 150cc(分量外)と砂糖と手鍋に入れ火にかける。沸いたら弱火にし、あんずが柔らかくなりとろみが出たら火からおろし冷ます。プリンにかけて食べる。

この記事のおすすめ商品ほうじ茶 30g

商品を見る{Explore Our Selection}

おすすめの記事

  • 〆は、お茶で。 issue 07
    めかじきのガパオ × 抹茶入「げんまい」

    めかじきのガパオ × 抹茶入「げんまい」

    Read More
  • あの人に贈りたい。 issue 01
    伊藤若冲さんに贈りたい  umami nutsの「運un」×深蒸 「せんちゃ」

    伊藤若冲さんに贈りたい umami nutsの「運un」×深蒸 「せんちゃ」

    Read More
  • 玉露日和。 issue 01
    白露の茶会

    白露の茶会

    Read More